実家がコミケ当日に全焼! それでも母は「あんたは会場に行け」と言った…美人コスプレイヤーの壮絶人生

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「速報!! 実家が全焼したのにコミケに来た勇者」

 昨年末に開催され約27万人の来場者を集めた日本最大級の同人誌即売会「コミックマーケット103」(以下コミケ)。当日は関連した投稿が数多くX(旧Twitter)に流れたが、その中でも注目を集めたのが「ドラゴンクエストIV」の女勇者のコスプレをした女性の投稿だった。実家が全焼したのにコミケに来るとは一体どのような状況だったのか。投稿主であるコスプレイヤーのミンミコさん(@minmikoooooooo)を取材した。

 昨年末の12月30日、大阪府羽曳野市の住宅から出火し、近隣の住宅17棟が全半焼する火事があった。この火災にあった家の一つがミンミコさんの90歳になる祖父と母が住む“実家”だった。

「家、燃えているの」

 30日午前4時、ミンミコさんは母からかかってきた電話でそう告げられた。

「その日は午前3時までコミケの準備で武器を作っていて、やっと完成して寝た瞬間の電話でした。最初は母が寝ぼけているのかと思ったんですが、燃えている途中で電話をかけてきたみたいで。Xで検索すると、祖父の横の家が燃えている動画が上がっていました」

 燃えた祖父の家にはかつてミンミコさんも住んでいた。2年前の3月にミンミコさんが上京したタイミングで、母も一緒に東京にやってきたが、祖父の体調が悪いことから1年前に母は帰阪していた。祖父は補聴器をつけていて、寝る時は外していた。火災の際、母が祖父を起こし逃げたので命に別状はなかったが、もし母と一緒に住んでいなかったら死んでいたかもしれない。

 現在、祖父と母は知人の家に身を寄せているが、祖母の遺骨が火事でなくなってしまったことで祖父は意気消沈しているという。さらに思わぬ追い討ちもあった。

「祖父が母も私も知らないうちに火災保険を解約していたんです。もともと古い家で物件価値がないから火災保険はいらないと思ったらしくて。燃えた家の解体費用やがれきの撤去費用も火災保険があれば出たんですが……」

 火事の話を聞き、ミンミコさんは「始発で大阪に帰るわ」と母に伝えた。すると母からは思わぬ言葉が返ってきた。

「あんたはコミケに行きなさい。こっちに来ても何にもできないでしょ。それよりドラクエのコスプレをして『私の家が燃えた』って言いなさい。お母さん、バズると思う。もう燃えた家は戻らないのだから、それをネタにしてでも何かつかんで来なさい」

 母の言葉を聞き、ミンミコさんはコミケの会場である東京ビッグサイトに向かった。道すがら、母から「寒い」「誰々さんの家が燃えている」と連絡があった。電車の中で半泣きになった。

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