「娘は先輩の“指導”で精神科に通い、自殺も考えた」「お風呂は多くて週に2、3度しか」 宝塚の「凄絶いじめ」の実態をOG、団員の親が告発!【スクープその後】

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 2023年、ジャニーズ事務所と同様に、組織の問題点や古い体質がクローズアップされたのが宝塚歌劇団である。

 閉鎖的な空間において維持される絶対的な上下関係――多くの組織や業界で見られる構図なのだが、「夢」を売るビジネスだけに実像とのギャップは大きく、インパクトも大だった。

 宝塚歌劇団の問題が大きく取り上げられるようになったきっかけは現役のタカラジェンヌ・Aさんが自宅マンションから転落死した事件。その真相に迫るべく、宝塚OGや関係者の声に耳を傾けるほど、時代の流れに背を向けたかのような組織の異様さが浮かび上がってきた。

 その実態を見てみよう(以下、「週刊新潮」10月26日号記事をもとに加筆・修正しました。日付や年齢、肩書などは当時のまま)。

 Aさんは宙(そら)組所属の娘役で、芝居も踊りもうまい実力派として知られていた。9月29日から始まった宙組公演にも出演者として名を連ねていたのだが、公演2日目の30日に、突如として彼女の休演が告げられた。30日早朝、自宅マンションの駐車場付近で倒れているのを住民に発見されていたのだ。

 彼女の死をめぐっては、今年2月に「週刊文春」が報じていた劇団内のいじめが関係していたとの疑惑があり、同誌は複数の団員がいじめに加担していたともAさんが亡くなった後に報じている。

 Aさんの死の原因は定かではないが、宝塚のいじめ問題は今に始まったことではない。古くは小柳ルミ子(71)が宝塚時代に受けていたいじめを後年になって告発し、2009年にはいわゆる「宝塚いじめ裁判」も起きている。

 宝塚OGで以前から古巣の“ハラスメント体質”を告発してきた、東小雪さん(38)によると、学校の1年目にあたる予科生は2年目の本科生から何らかの指摘を受けた場合、まずは当事者として反省文を書き、次に同期の予科生全員でその反省文を暗唱するという。その後も“指導”として、説教や詰問が深夜まで行われるのだそうだ。

「予科生の間は、満足にお風呂に入ることもできません。週に1度、多くても週に2、3度でした。怒られると反省しないといけないので、入浴する暇などないのです。予科生の衛生環境は最悪で、制服のシャツは黒ばみ、ジェルで固めた髪の毛は白い粉でいっぱい。モットーの“美しく”からは程遠い状態です」

 この点、宝塚歌劇団に事実関係を問うたところ、次のような回答が。

「2015年より使用されております現在の寮は、音楽学校・弊団いずれも寮内の各部屋に浴室や洗濯機・乾燥機が設置されております。ご質問のような指導は現在ございませんし、構造的にもあり得ません」

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