ついに始まる「新NISA」活用法 経済アナリストが「リスクを取った方が“非課税枠”のメリットは大きい」と説く“合理的”な理由

ライフ

  • ブックマーク

Advertisement

合理的に考えるなら

 NISAでは他にも様々な商品が選べますから、あまり視野を狭めすぎる必要はなく、広く商品を検討してみても良いと思います。

 私個人としては、せっかく利益に対する非課税枠があるのなら、ある程度リスクを負ったとしても、大きなリターンが期待できるものに投資した方が、合理的ではあるなと考えています。

 誤解しないでいただきたいのですが、読者の皆様にギャンブルを勧めているわけではありません。また、自分の腕に自信があるという話でもありません。単に、非課税のメリットを目一杯受けるには、リスクをとって期待リターンが高い商品に投資をした方が理にかなっているということなんです。

 例えば、100万円の投資をして、5%のリターンが得られた場合、儲かった5万円のうち、本来税金として持っていかれてしまうはずだった2割分の1万円が、NISAによって得られたメリットということになります。

 一方、もし20%のリターンが生じる商品を買っていた場合について考えてみます。100万円の20%ですから、利益は20万円。このうち本来税金として持っていかれるはずだった2割分の4万円が、非課税メリットということになります。

 つまり、リターンが小さければ、当然儲けも小さいため、非課税による恩恵はあまり受けられないんです。合理的に考えれば、利益が大きくなるほど、とられるはずだった税金も大きくなるわけで、それが免除される恩恵も大きくなるということです。

「コア・サテライト戦略」

 ですから、リスクを抑えた運用は通常の口座で投資し、ある程度リスクを負ってハイリターンを狙う投資をNISA口座で行うのが、理論上は合理的だなと思います。よく「コア・サテライト戦略」といいますが、投資費用の10割を低リスクの商品に費やすのではなく、そこは8割程度にしておいて、残りの2割はある程度チャレンジングな投資をしてみるというのも、攻め方としてはアリだと思います。非課税枠を最大限活用するなら、IPO(新規公開株)に投資するのだって選択肢の一つだと思いますよ。

 あとは、ある程度財務体質を見抜く知識も必要になってきますが、高配当株を探してみると、業績が安定しているのに、配当利回りが3~4%くらいあるところも、意外にけっこうあるものです。配当としてそれだけあれば、仮に株価が上がらなかったとしても、固定で3~4%の利子がつくわけですから、少なくとも銀行に預けておくよりは良いですよね。こうした隠れた優良株を見つけられれば、やがて人気が集まってきて配当利回りが下げられたとしても、結局は株価が上がることで値上がり益が得られますから、選択肢の一つと考えてみてもいいのではないでしょうか。

次ページ:「テーマ」を決めてみる

前へ 1 2 3 4 次へ

[3/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。