池田大作氏が亡くなって年間1000億円「寄付金」はどうなる?現役信者は「財務体験談大会は減っています」

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 創価学会の池田大作名誉会長が11月15日に死去してから、早3週間が過ぎた。唯一無二のカリスマを失い、組織の求心力低下を指摘する向きも多いが、早速会員たちの結束力が試される時が訪れた。教団への寄付金を募る、「財務」の季節がやってきたのだ。

「今年は3ケタを目指します!」

 創価学会において「お布施」「寄付」のことを表す「財務」は、年末にそのシーズンを迎える。11月の終わりから12月下旬にかけて、全国一斉に振込みが行われるのだが、その集金力は驚異的だ。詳細は公表されていないものの、年間1000億円、最盛期には数千億円にも及ぶ額が集まったと囁かれているから、その規模は他の宗教団体とは一線を画すのである。

 会員世帯数「公称827万」とうたう大所帯とはいえ、なぜこれだけ巨額のカネが集まるのか。西日本で活動する現役の学会員によれば、

「日頃より学会員は、“財務は功徳”との教えを受けています。要はカネを積めば積むほどご利益があるとされているので、皆が皆とは言いませんが、熱心な信者であるほど、財務にのめり込んでいくというわけです。実際、3ケタ(100万円)、4ケタ以上の財務はステータス的に扱われている面もあって、私もかつては喜んで3ケタやっていたクチです」

 こうした信者たちの“財務心”を焚きつけるため、巧みな仕掛けが設けられているそうだ。

「財務の時期が近づくと、『財務体験談大会』という会合が各地域で開かれます。これは、“財務によってこんな功徳があった”と信者同士で発表し合い、財務の機運を醸成するためのイベントです。私が数年前に参加したときには、“昨年の財務を頑張ったことで、より良い条件の仕事に就くことができました!”“今年は3ケタを目指します!”といった言葉が飛び交っていました。中には、“道路の拡張工事にひっかかり、立退料をたくさんもらえました!”なんて発表もありましたが、それが功徳だと信じ込んでいる会員は、“自分ももっと寄付しないと”と感化されていくのです」(同)

旧統一教会問題のあおりが

 体験談の発表原稿は、事前に幹部によるチェックまで入るというから、組織としての力の入れようが窺える。しかし――。

「昨年に旧統一教会の高額献金問題が取り沙汰されるようになってから、露骨に財務を煽ることを控える傾向にあります」と打ち明けるのは、別の現役信者だ。

「いまだに開催されている地域もあるとは聞きますが、少なくとも私の住む地域やその周辺では、『財務体験談大会』と称したイベントは行われなくなっています。あるとしても、会合で幹部から“今年も財務を頑張ろう”と呼びかけられる程度。組織全体としては、旧統一教会の問題が飛び火してこないよう相当気にしている様子が窺えます。その影響か、昨年の財務で集まった額は一昨年より減少したと聞いています」

 この10月には、高額な献金問題が取り沙汰された旧統一教会に対する「解散命令請求」が政府によって東京地裁に提出されたばかり。存続の危機に見舞われる旧統一教会を横目に、今は目立った活動は慎んでおこうというわけか。

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