【秋ドラマ】個人視聴率ベスト5 「相棒」は相変わらず強いが弱点も…激戦区で気を吐くフジのドラマは?

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激戦の時間帯で気を吐くフジテレビ新ドラマ枠

 個人全体視聴率の5位はフジテレビ「うちの弁護士は手がかかる」(金曜午後9時)の個人3.6%(世帯6.4%)。コアは2.3%だった。激戦の時間帯に新設されたドラマ枠だが、気を吐いている。

 ムロツヨシ(47)が演じる元敏腕芸能マネージャーの主人公・蔵前勉が、わがままで自分勝手な新人弁護士・天野杏(平手友梨奈・22)のパラリーガルになり、1人前の法律家に育て上げる物語。ハートウォーミング・コメディである。

 蔵前のおやじギャグにはクスリとなる。天野の破天荒な行動も笑える。一方で蔵前の天野を思う気持ちにホロリとさせられ、成長していく天野の姿に胸が熱くなる。後味の良い作品である。

ようやく核心部分が見えてきた「ONE DAY」

 6位以下はテレ朝「ゆりあ先生の赤い糸」(木曜午後9時)の個人3.6%(世帯6.5%)でコア1.1%、7位が日テレ「セクシー田中さん」(日曜午後10時30分)の個人3.3%(世帯5.4%)でコア3.2%、8位が同「ゼイチョー~『払えない』にはワケがある~』(土曜午後10時)の個人2.8%(世帯5.1%)でコア1.7%だ。

「セクシー田中さん」は放送が日曜の深い時間帯なので、そもそも個人全体視聴率は上がりにくいが、コアは2位。若者とミドル層の支持は厚い。

 9位がフジ「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」(月曜午後9時)の個人2.8%(世帯4.8%)でコア1.7%、10位がフジ系で関西テレビ制作の「トクメイ!警視庁特別会計係」(月曜午後10時)の個人2.7%(世帯5.1%)でコアが1.6%、同率10位はフジ「いちばんすきな花」(木曜午後10時)の個人2.7%(世帯5.1%)でコアは1.4%だった。

 分かりにくいと指摘されてきた「ONE DAY」はようやく核心部分が見えてきた。今後、浮上するかも知れない。

「マイ・セカンド・アオハル」のコアは振るわず

 12位はTBS「マイ・セカンド・アオハル」(火曜午後10時)の個人2.5%(世帯4.6%)でコア1.9%、13位は同「フェルマーの料理」(金曜午後10時)の個人2.4%(世帯4.5%)でコア1.4%、14位はフジ「パリピ孔明」(水曜午後10時)の個人2.1%(世帯3.7%)でコア1.6%。

 キャンパスを舞台にした「マイ・セカンド・アオハル」のコアが振るわないのはTBSにとって誤算だろう。T層(13~19歳の個人視聴率)も1.1%と低迷している。

 15位はNHK「大奥 Season2」(火曜午後10時)の個人1.9%(世帯3.5%)でコアは0.6%、同率15位はテレビ東京「ハイエナ」(金曜午後8時)の個人1.9%(世帯2.7%)でコアは0.5%、17位はテレ朝系朝日放送制作の「たとえあなたを忘れても」(日曜午後10時)の個人1.7%(世帯3.3%)でコア0.8%だった。

 視聴率と質は別。しかし、テレビ界と広告界が最も信用するビデオリサーチの調査結果を知っておいて損はないはずだ。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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