韓国の若者に大人気… 社会問題化する中国発「のけぞるほど甘い」菓子の正体

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 韓国内での中国産食品への不信感は根強い。つい最近も、青島ビールの工場で原料倉庫に放尿している動画が拡散され騒動になったし、2年前には、中国人男性が裸で水槽に入りキムチを漬けていたという「裸キムチ男」事件が起きた。韓国の多くの大人たちは、中国産と聞いただけでこめかみがピクりと動く。

 実際、今年7月にアメリカのオンラインメディア「アクシオス」が発表した世論調査によれば、韓国人の反中認識は77%で、2019年調査当時の63%よりかなり増えている。2022年12月に米国の外交専門メディア「ディプロメット」が行った大衆調査でも、対象56カ国のうち韓国人に最も嫌われている国は中国だった。中国に対する否定的な認識は81%で、これは日本より約10%も高い数字だ。韓国人の大半が中国に対して良くないイメージを持っている。

 ところが子供たちは違うようだ。韓国の繁華街では、10代から20代の女性が色とりどりの「タンフール」を食べながら歩く姿をよく見かける。タンフールとは、中国の天津生まれのデザートで、中国語では「糖葫芦」と書く。イチゴやミカン、シャインマスカットなどのフルーツを長い串に刺し、溶かした砂糖でたっぷりコーティングした菓子だ。中国で作られているわけではないのだが、この中国発の菓子に大人たちは眉間に皺を寄せる。

店舗は1,000店超え…「のけぞる甘み」

 このタンフール、そもそもフルーツが甘いのに加え、表面に砂糖がついていて「のけぞる甘み」を体験できる。辛い料理を食べた後の口直しとして、また色とりどりのデザートを持って“映え”を狙えることで、甘いものが大好きな若者たちの間で大人気である。

 ソウルの弘大入口の通りや江南、明洞付近ではタンフール専門店を随所で見かけ、ランチ後にはよく長い列ができている。インスタグラムなどのSNSには、様々な果物の組み合わせで作ったタンフールを持って撮った写真が、数え切れないほどアップロードされている。

 業界も好況だ。有名タンフールチェーン店である「ダルコム王家タンフール」は11月3日に全国500店舗突破を達成した。同ブランドのチェーン店は、昨年まではわずか40ヵ所余りにすぎなかったから急激だ。タンフール業界全体の店舗を見ても、昨年は約240ヵ所だったが、今年は1,000ヵ所を超えた。今年に入ってタンフールの人気が急上昇したことがわかる。

 当然、売り上げも大きく伸びている。タンフールの相場はイチゴを4個刺したもので3,000ウォン(約340円)ほどだ。韓国の世論調査専門会社「マクロミルエンブレイン」が全国14~69歳の消費者2万人を対象に行った調査によると、今年4月の段階で全体の消費額は4億3,000万ウォン(約5,000万円)だった。ところが、翌5月には11億5,000万ウォン(約1.3億円)まで伸び、9月には54億ウォン(約6.2億円)にものぼった。5ヵ月間で1,168%も上昇していることになる。

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