【池田大作の履歴書】かつては高利貸しの営業部長だった…神格化のために行われた大袈裟な演出とは

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 11月15日、老衰のため95歳で死去した創価学会の池田大作名誉会長とは、いかなる人物だったのか……。「週刊新潮」は2003年11月6日号より8回にわたり「新『創価学会』を斬る」という特集を組んだ。筆者でジャーナリストの山田直樹氏は、この連載で第10回・編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞の大賞を受賞。中でも第7回「『高利貸しの営業部長』だった 『池田大作』の知られざる屈折人生」(03年12月18日号)は、触れられたくない過去について論じている。註・年齢や肩書きなどは掲載当時のままとする。

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 32歳で創価学会3代会長に就任以来、実に43年。池田大作名誉会長ほど離反者を生み、さまざまな告発を受けた人物はいない。学会員の絶対的な崇拝の対象となる一方で、この人物の特異な人間性は、常に多くの裏切りを生み続けた。今や与党・公明党の事実上のオーナーとして法王の座を手に入れた池田氏。どうしても触れられたくないその知られざる過去に迫る。

 創価学会の行動原理・思考形態は、日本の新興宗教団体の中でも極めて特殊と言える。

“教祖様”を絶対視し、崇拝し、その言葉を無批判に受け入れる点は、多くの新興宗教団体と共通しているが、敵対者への強い攻撃性や憎悪は、やはり、この団体の持つ大きな特徴と言っていいだろう。

 しかし、これは同時に、

「脱会すれば、このようになる」

 との恐怖を学会員に植えつける、組織を守るための絶大な効果をもたらしてもいる。そのような恐怖と憎悪こそが創価学会(員)のエネルギーを引き出す“源泉”であり、同時に、

「自分たちのしている事は正しい。世間も驚嘆する偉業をなし遂げている」

 というカタルシスを多くの学会員に抱かせる基となっているのも特色だ。

 目を輝かせて池田大作氏の偉大さ、素晴らしさを訴える学会員を見ていると、これだけの陶酔感、使命感を多くの学会員にもたらす池田氏のパワーには驚嘆せざるを得ない。

 今回は、その池田大作という人物の人間性を解明する中から、学会の根本的な病理を検証したい。

 公称550万部の創価学会の機関紙・聖教新聞は、敵対者への口汚い誹謗・中傷記事で溢れている。しかし、もちろんそれだけではない。常に1面を飾るのは、池田大作氏の業績紹介であり、礼讃記事である。

 例えば、先月(註:2003年11月)1カ月間の同紙はどうか。

 この中で、勲章など池田氏の受賞関連の1面トップ記事は実に13にのぼる。名誉博士2件、名誉市民4件、顕彰状・感謝状3件、受賞4件という具合だ。繰り返すが、これはたったひと月の間である。

〈ブラジル マイリンケ市SGI会長夫妻を名誉市民に〉(3日付)

〈人間革命の哲学が21世紀の扉を開いた 台湾各地から池田SGI会長に感謝状〉(9日付)

〈フィリピン キャピトル大学が決定 池田SGI会長に名誉博士第1号〉(11日付)

〈カリブ海永遠の美の島ドミニカ SGI会長夫妻に国家賓客称号〉(15日付)

 ……等々である。

 12月に入っても、それは変わらない。12月4日付聖教新聞には、

〈非暴力 源流の国・インドで大反響 ガンジー・キング・イケダ展〉

 という特大の記事が載っている。

 これは、アメリカ、パナマ、イギリス、ニュージーランド、ウルグアイなど世界中を巡回している、ガンジーとキング牧師、そして池田大作氏の偉業を称える展覧会の紹介記事だ。その展覧会が当のガンジーの国・インドで開催されたというのである。

 敵対者を口汚く罵り、これまで言論出版妨害事件や宗門との激しい抗争を繰り返し、脱会者への徹底した攻撃を行ってきた池田大作氏が、よりによって“非暴力・不服従”のマハトマ・ガンジーや黒人公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング牧師と肩を並べたという展覧会なのだから、いくら創価学会が後援するイベントとはいえ、鼻白む人は少なくあるまい。

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