ヘンリー王子とチャールズ国王の雪解けムードに逆風 新たな“暴露本”を執筆した「メーガン妃のチアリーダー」とは

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著者は「メーガン妃のチアリーダー」

 著者のスコビー氏は、ヘンリー王子とメーガン妃夫妻が王室を離脱した2020年、キャロリン・ドゥランド氏との共著『Finding Freedom』(邦題『自由を求めて ハリーとメーガン 新しいロイヤルファミリーを作る』扶桑社刊)を上梓した人物だ。3月末付の王室離脱から5カ月で世に出た夫妻の伝記本であり、夫妻を徹底的に擁護する内容だった。

 公開されているプロフィールによると、現在42歳のスコビー氏はロンドンを拠点とするジャーナリスト・作家で、2011年から英王室関連の取材に携わった。世界的ベストセラーとなった『Finding Freedom』で名を上げ、米国のテレビにも出演する「この世代で最も話題の王室ジャーナリスト」だという。

 たしかにスコビー氏は話題の人物である。『Finding Freedom』の上梓と前後して、SNSでは「サセックス公爵夫妻(ヘンリー王子夫妻)のスポークスパーソンはこう発言している」といった“代理投稿”が目立つようになった。常に誰よりも早く、しかも独占的なため、英メディアからは「メーガン妃のチアリーダー」という“称号”を与えられている。

『Finding Freedom』の執筆では夫妻の協力を得ていないとしていたが、後に主張が崩れたこともある。2021年にメーガン妃が英大衆紙「デイリー・メール」などの運営企業をプライバシー侵害で訴えた際、王室時代に夫妻の秘書官を務めていた人物が証人陳述書を提出した。そこには『Finding Freedom』の執筆時、王子夫妻からの情報を自身がスコビー氏とドゥランド氏にメールで送信したことが記されていたのだ。

あくまでも「関係者への取材に基づく本」

 となれば、『Endgame』にも情報提供があったと考えるのが自然な流れだろう。スコットランドへの機中で「暗闇の中にいた」というヘンリー王子の心境や、ヘンリー王子側と王室側のスタッフがヘンリー王子の到着前に女王の死去を公式発表するかどうかを協議した件、到着したヘンリー王子が女王の長女・アン王女に「温かく」迎えられた件など、その場にいた人物が見聞きしたような内容が目立つ。

 ただし、スコビー氏はあくまでも、「関係者への取材に基づく本」としている。「英国王室の現状についての本だ。『ハリーとメーガンの本』でもなく、私は『メグ(メーガン妃の愛称)の友人』でもない。サセックス公爵夫妻はこの本と何の関係もない」とSNSで発言したが、その主張を信じる人が少ないのは仕方がない。

 英メディアももちろん、スコビー氏が誰に“取材”したのかという点に注目している。ただし、『Finding Freedom』と同じ“手法”で作られた本だとは思っていない節もある。

「デイリー・メール」の電子版「メール・オンライン」は、ヘンリー王子夫妻の関係者が「王子夫妻はこの本と無関係」と証言したことを報じた。ヘンリー王子夫妻が『Endgame』でもスコビー氏に代弁を求めた、と完全に断定する見方は意外にも多勢ではない。その理由はおそらく、最近の夫妻から見て取れる変化にある。

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