岡田監督夫人が明かす「逆王手をかけられた夜」の様子 進退について「使命を達成できていないと考えているように見える」

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思わず教え子に「すみません」

 コロナ禍の最中、岡田教授は大山にネクタイをプレゼントするなど交流を続けてきたという。

「大山君は学生時代からきちんと授業に出てレポートを書き、優秀な成績で卒業した文武両道の子でした。彼はシーズンオフになると必ず母校の野球部に顔を出してくれるのですが、以前、あまりに真面目すぎるので『少しは気を抜いてもいいんだよ』と声をかけたら、『先生、それは違います。20年30年と野球で食べていけるわけではないから、一瞬一瞬を全力でやるしかないんです』と言う。私は思わず『すみません』と謝ってしまいました。そのストイックさが今回、報われたのだと思います」

 次は、投手王国オリックスで曽谷が優勝投手になる日を待ち望んでいると仰るのだ。

「巨人びいき判定撃退装置」の開発を提唱

 それにしても長かった38年。古参ファンにとっては思いもひとしおであろう。ぬか喜びと絶望とを交互に味わいながらも辛抱強く待ち続けたその一人が、18年にノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)・京都大学特別教授(81)である。

 かつて人づてに吉田義男・元監督(90)から“岡田の後援会を作りたい”と打診され、04年、京都の後援会長に就任して現在に至る本庶氏。伝統の一戦では球審の判定が巨人寄りに偏っているとの疑念を抱いており、最近も「巨人びいき判定撃退装置」の開発を提唱するなど、熱い思いは途絶えないのだが、待ちに待った今回の慶事については、

「岡田監督のさえた采配、選手の一人一人が真剣に一球一球対応している姿に全国のファンが感動しました」

 としながら、

「苦節38年、ファンとして70年、私の人生の中でも大きな喜びの日でした」

 そう感激をあらわにするのだった。

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