巨人、今オフもFA惨敗なら「中田トレード」で投手補強の現実味 「監督代わっても変わらない」不人気球団に“起死回生策”

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慎之助は他球団選手が敬遠する“昭和の武闘派”

 始まったばかりのプロ野球のストーブリーグで、巨人が3年連続でフリーエージェント(FA)選手を獲得できないのではないかと球界関係者の間で囁かれている。特に巨人の最重要課題の投手では、ここまでFA権行使を表明した松井裕樹(楽天)がMLB挑戦を希望し、加藤貴之(日本ハム)は残留が確実になった。FA宣言した山崎福也(オリックス)はソフトバンク、DeNAなど複数球団による争奪戦が必至の様相で、石田健大(DeNA)や田口麗斗(ヤクルト)ら残る有力選手は態度を保留している。

 ここに来ても巨人入りが「既定路線」という投手の存在は聞こえてこない。さる在京球団編成担当は「監督が代わっても巨人のFA選手からの不人気ぶりは変わりません。新監督(阿部慎之助監督)に派手なご祝儀はないかもしれないですね」と語り、豊作とされる今オフのFA市場でも巨人の苦戦を予想する。

 かつてFA補強は巨人のお家芸だった。落合博満、清原和博、小笠原道大、丸佳浩……、優勝を逃すたびにFAで大物選手を獲得し、「常勝」の看板を守ろうとしてきた。

 ところが、昨オフまでは2年連続でFA選手の獲得ゼロと異変が起きている。

「FA権を取得した今の30歳前後の選手たちは、巨人戦中継が地上波で流れていた時代をほとんど知りません。巨人に憧れるなど特別な思いがあるどころか、今季まで編成権を含めた全権を握っていた原監督の影響力を懸念し、むしろ避ける選手が増えていたぐらいですから。親世代にしか『巨人ブランド』は通用しなくなっていますね」(前出の編成担当)

 昨オフ、西武からFA宣言した森友哉などは巨人の閉塞感を敬遠した選手の最たる例だ。伸び伸びとプレーできる環境を重視したようで、自身を調査していた巨人ではなく、オリックスを選択したのだった。ある元NPB球団監督は「慎之助には“昭和の武闘派”のイメージが強くて、原さんとはまた違った意味で、今の選手たちが進んでその下で働きたいと思う監督像には当てはまらないのではないでしょうか」とみる。

FAに代わりトレードが生命線

 阿部監督にもその自覚があるからか、本格始動となった秋季練習の初日に、選手に対し「僕も変わりますし、みんなも変わってほしい。のびのびとやってほしいと思います」と訓示した。

 ただ昨日、今日で出来上がったものではないだけに、イメチェンは容易ではない。他球団の選手にまで浸透するには、まずは訓示通りにチーム作りがなされるかどうか、最低でも1シーズンをみてから評価する必要がありそうだ。前出の元監督の「少なくとも今オフのFA選手は、巨人が働きやすい球団になったかどうか判断できない。敬遠傾向は続くでしょう」との言葉はもっともだ。

 球団は既にFAに依存しない補強にシフトしている。11月に入ると、6日にアダム・ウォーカーとソフトバンクの高橋礼、泉圭輔による1対2のトレード成立を発表した。さらに8日にはオリックスの近藤大亮を金銭トレードで獲得。わずか3日間でウイークポイントの投手を3人補強したのだ。

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