特別な銃器「コーナーショット」も開発…イスラエル軍はハマスが掘った450キロ「地下トンネル」をどう攻略するのか

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 イスラム主義組織ハマスの人質となっていたイスラエル人のヨヘベット・リフシッツさんが解放され、10月24日に記者団の取材に応じた。彼女の発言は世界中に配信され、その中の「クモの巣のように張り巡らされた地下トンネルに連れて行かれた」という証言に注目したメディアは少なくなかった。

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 イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻が「間近に迫った」と伝えるメディアがある一方、「アメリカはイスラエルに人質解放の交渉を優先するように求めた」という報道も行われている。

 まさに予断を許さない状況だが、イスラエルは25日夜には地上部隊でガザ地区の一部を急襲し、翌26日には空襲を続行。一歩も退かない構えだ。時期は未定だとしても、陸軍による本格的な地上侵攻は不可避と予測する専門家は少なくない。

 その際、ハマスは「クモの巣のように張り巡らされた地下トンネル」で徹底抗戦を行い、精鋭として知られるイスラエル軍も苦戦するとの分析がある。

 ロイター日本語版は10月13日、「アングル:準備万端のハマス、イスラエル苦戦なら地上戦は長期化か」との記事を配信した。

 この記事で《イスラエルの安全保障関係者の1人》は次のようにコメントした。

《作戦目的はハマスの軍事能力と装備一式を破壊することにあり、長い時間が必要になる》

 戦力差は圧倒的なのに、なぜ時間がかかるのか。それは《標的の大半は地下》にあるからだ。ハマスがトンネルに潜んで徹底抗戦する可能性があり、イスラエル軍は無数のトンネルを一つ一つ潰していかなければならない。

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