明日日本シリーズ開幕 岡田阪神、38年ぶりアレに必要な“アレ”とは?【柴田勲のセブンアイズ】

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広島の3連敗は必至だった

 阪神が広島とのクライマックスシリーズ・最終ステージで4勝0敗(アドバンテージ1勝を含む)とし、2014年以来、9年ぶり7度目の日本シリーズ進出を決めた。岡田彰布監督率いる阪神は1985年以来、38年ぶりの日本一を目指す。

 戦前、私はペナントレースの戦い方を見ると、阪神が6で広島が4、これに1勝のアドバンテージで阪神7、広島3になるのではと予想した。この通りになった。

 阪神は無敗でのCS最終ステージ突破、2位の広島に11.5ゲーム差でペナントを制した実力を見せつける結果となった。しかも3試合連続逆転勝ちだった。

 両チームともにガンガン打って勝つタイプではない。5、6回あたりまで少ない点数でリードして、以降を強力中継ぎ陣でしのいでモノにする。似た者同士だ。接戦となったが阪神投手陣の方が一枚も二枚も上だった。

 広島に勝機があるとすれば、初戦を取れるかどうかだった。しかし先発・村上頌樹の投打にわたる活躍の前に落とし、翌日は9回2死満塁から木浪聖也のサヨナラヒットで連敗、こうなると勝利の流れを引き寄せるのは容易ではない。3連敗は必至だった。

阪神の投手陣の強さ

 それにしても阪神の投手陣は盤石だった。村上、伊藤将司、大竹耕太郎の先発3人は5回以上を投げて試合を作った。そして救援陣は延べ13人がマウンドに上がって、無失点だった。打線は水物だ。頼りになるのは力のある投手たちだ。

 桐敷拓馬、石井大智、島本浩也、岩貞祐太らはなによりも制球力がよかった。抑えの岩崎優は最後に少しヒヤッとしたが、落ち着いていた。最多セーブの実績とこれまでの経験のなせる業だろう。

 攻撃も12球団最多の494四球を記録した阪神らしかった。3戦目の1点を追った4回には大山悠輔が1死一塁から四球を選んで好機を広げて2死後、シェルドン・ノイジーの同点打、さらには坂本誠志郎の逆転打を呼び込んだ。

 四球を選ぶことで打線が線になる。チーム一丸となる。大山はここまで振るわなかったが、主砲の「なんとか次につなごう」、この姿勢が大きかった。

 3試合、阪神の安打数は17で10得点、広島のそれは21で4得点、阪神はチャンスを確実にモノにしていた。今季も「つなぎの野球」で555得点をマークしている。最終ステージでも実践した。

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