過去3年の献金額は約2億円! 医師会ベッタリでカネを集める大臣2名の名前とは?

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利益率は約86%

 ところが、パーティーとは違って飲食を伴わないため、この事業の経費はかなり低く抑えられ、結果的にパーティーよりも高い利益率を示しているのだ。

 21年の4回の事業では高いときで1500万円超、低いときでも1千万円弱の利益が出ており、平均利益率は約86%。14年から20年までのパーティーの利益率を計算すると約74%なので、1割以上も“収支”が改善されたことになる。

「これでは政治資金パーティーではないとはいえません」

 とあきれるのは先の上脇氏。

「本来、政治資金パーティーとは収入から経費を差し引いて、残った額を政治活動にあてるという主旨の催しです。よって高い収益が上がっている21年の武見氏の『勉強会』や『セミナー』はすべて政治資金パーティーだといえる。武見氏は総務省の『オンラインでは政治資金パーティーを開催できない』という見解に反するパーティーを催していることになるのです」

 いわば政治資金パーティーの“隠蔽(いんぺい)”だ。ただ、仮にこの催しがパーティーではない「事業」として成立するとしても、別の問題が出てくる。

“ハイブリッド型”

 政治資金規正法上、パーティーで20万円超を支払った団体等に関しては、政治資金収支報告書に記載することになっている。大口の購入者を明らかにすることで、政治資金の透明性を担保するためだ。

 ところが、武見氏のように「事業」で“パーティーもどき”を行ってしまうとその旨を記載しなくていいことになる。この手法は大口購入者を隠すことができる、極めて不透明な資金集めだといえるのだ。

 実際、20年以前の武見氏のパーティーで大口の購入者となっている団体はこの動画配信事業の会費をいくら支払ったのか。

 各団体の政治資金収支報告書で21年の敬人会への支出を見ると、

・日医連が四つの事業への会費として計200万円

・東京都医師政治連盟が四つの事業に会費として計450万円

・製薬産業政治連盟が四つの事業でのパーティー券購入費として計110万円

 など、本来なら記載されるべき多額の“パー券”を購入してもらっていることがわかる。しかし、これらの収入は敬人会の報告書には記載されていない。まさに、不透明な収支にほかならないのだ。

 さらに、当時の参加者に話を聞くと、

「コロナ禍のこのパーティーは対面とオンラインとの“ハイブリッド型”だったと記憶しています。感染が心配な方はオンラインでもいいですよ、というような案内でした」

 実は先に触れた4回の「動画配信事業」はホテルから配信が行われ、そこに直接招かれた参加者もいたのである。その場合、報告書には実際に参加した者の収入分は正式に「政治資金パーティー」の収入として、オンライン分は「その他の事業」として記載しなくてはならない。ところが、武見氏の場合、すべてパーティーではない「事業」として記載されているのは前述の通りだ。

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