新井広島、リーグ2位に躍進も…再び長期低迷に陥りかねない“チーム事情”

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右の強打者が不足

 今年のドラフト会議では、どんな野手を指名していくか、今後のチーム作りには欠かせないのだが、一部のメディアでは、即戦力となりうる大学生投手を狙うのではないかと報じられている。先発の新たな柱が必要であり、この方針は理解できるが、2020年や2021年のように、ドラフト上位を大学生と社会人の投手で固めることは、チームのバランスと将来を考えて避けるべきだ。

 特に気になる点は、右の強打者が不足していることだ。外国人選手を除くと、最もホームランが多いのは、堂林の12本。次いで、2年目の末包昇大が11本塁打を放ったが、今年で27歳と若手といえる年齢ではない。このため、昨年2位で指名した内田湘大に続く“高卒の大砲候補”は必要不可欠である。

 今年のドラフト候補の中では、九州ナンバースラッガーとの呼び声が高い明瀬諒介(鹿児島城西)や、夏の甲子園で2本のホームランを放ち、U18侍ジャパンに選出された森田大翔(履正社)といった有望株を積極的に狙うべきだ。彼らの指名に成功すれば、内田と競わせるのが得策だろう。

 広島は、12球団で唯一FAでの選手獲得がなく、自前で選手を育てる方針で戦っている球団だからこそ、スカウティングと育成が機能しなければ、再び長期低迷に陥る危険性がある。目先の即戦力投手ばかりに注力するのではなく、将来を見据えたドラフト戦略をとることができるのか。このオフの大きな注目ポイントとなる。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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