ロシアスパイが防衛族議員に食い込む日本人記者に大胆な提案 唖然としてしばらく何も言えなかった【元公安警察官の証言】

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家賃はいくら?

 名刺交換してから数日後、ジャーナリストはロシア人から食事に誘われた。

「ジャーナリストはロシア人の指定した店に出向きました。彼はこれから何回か食事に誘われ、徐々に色々と持ち掛けられるのだろうなと思っていたそうです。店に着くとすでにロシア人が待っていて、2人で簡単な挨拶をした。ところがいきなりトンデモないことを言われたそうです。ロシア人は単刀直入に『私はあなたに沢山のお金を支払うことができる。あなたのマンションの家賃はいくらですか? 私はそれを払うことができます』と」

 ジャーナリストは唖然として、しばらくは何も言えなかったという。

「気を持ち直したジャーナリストはロシア人に『あなた、GRUのスパイでしょう』と言ったところ、『私はスパイじゃない』と言ったそうです。そんなやりとりがあったので2人ともしらけてしまい、ジャーナリストは早々に店を引き上げたそうです」

 その後、ロシア人からは一切連絡がなくなったという。

「ロシアのスパイがこんなことを提案するのを聞いたことがありません。ただ、警視庁がこれまで日本人と接触するロシアのスパイを監視して、1、2回だけ会ってその後接触しないというケースが何件か報告されています。いずれにしても、最初から現金を提供するので情報収集しろと言われて応じる人はまずいません。スパイとしてはお粗末としか言いようがありません」

 最近のロシアのスパイは、質が悪すぎるということか。

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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