悩めるプロ5年目「吉田輝星」 新フォームもいま一つで、今年は未だ一軍登板ゼロの現状

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今季は二軍暮らし

 8月6日、夏の甲子園大会が開幕する。普段、あまり野球中継を見ない人たちも郷里の代表校の勝敗だけは気になるようだ。夏の甲子園は故郷を思い出す「郷愁の大会」であって、そこで活躍した選手は見る者に強いインパクトを残す。

 吉田輝星(22=北海道日本ハムファイターズ)といえば、秋田県立金足農業高校で2018年夏の甲子園大会準優勝投手。秋田県大会から甲子園準決勝まで10試合連続完投勝ち。大会通算62奪三振は歴代6位。決勝では大阪桐蔭に敗れたが、「金農旋風」を巻き起こした。

「このところ、吉田の名前がメディアで取り上げられています。夏の大会が近づくと、毎年のことですが、今年はちょっと内容が異なります。弟の大輝(1年)が秋田県大会2回戦でデビューしました。それも、金足農高の投手として。それから、愛媛県の準決勝で散った聖カタリナ学園の河内康介(3年)は、『吉田に似ている』と評判です。河内自身も吉田ファンだと言っていましたが、体つきや投球フォームもソックリです。ストレートで押しまくり、甘いコースに来てもファールになるピッチングは、まさに『18年大会の吉田』でした」(アマチュア野球担当記者)

 河内にはプロ野球スカウトも熱い視線を送っていたという。

 しかし、肝心の吉田はというと、今季は二軍暮らしが続いている。郷里・秋田県の代表校が明桜高に決まった7月27日時点で、一軍登板ナシ。ファームでの成績も1勝5敗2セーブ、防御率5.61と振るわない。27試合の登板はチーム最多。新庄剛志監督(51)が期待しているのは間違いなさそうだが、「一軍昇格」の話は聞かれなかった。

「吉田の長所はストレート。そのストレートに球速、キレがないときはピッチングも単調になり、一度打たれ出すと止まらなくなってしまいます。今季はそのストレートがイマイチなんです」(スポーツ紙記者)

 少しずつだが、「良くなってきた」との評価も聞かれた。4年目の昨季は中継ぎでの登板も多かったが、「シーズン2勝」は“キャリアハイ”だ。51試合に登板し、今季は先発ローテーション入りを目指して張り切っていたが、日本ハム首脳陣の評価は違った。「今年は、ちょっとマズいんじゃないか?」とも思っていたそうだ。

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