「若手有望記者3人が同時退職」「Colabo支援者の抗議で記事取り消し」 朝日新聞で何が起きているのか
「高圧的な言動があったのではないかと…」
かつての自称「クオリティー・ペーパー」朝日新聞が断末魔にあえいでいる。今年1月のABC調査によれば、かつて840万部を誇った朝刊発行部数は、今や380万部まで落ち込んでいる。部数減は全国紙全体の問題とはいえ、読売が653万部で踏みとどまっていることを考えると、朝日の凋落ぶりは明白である。そして最近、その惨状を象徴するような“事件”が相次いで起きていた。
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まずは「若手有望記者の同時退職」である。
「この8月までに退職するのは、いずれも30代前半の男性記者3人です。3人とも、将来を嘱望された記者が配属される警視庁や警察庁を担当した有能な人材。若手記者が3人も同時に辞めるのは前代未聞です」
と、朝日新聞関係者が語る。3人の退職後の進路は大手損保会社、大手人材サービス会社、民放テレビ局となっている。
「3人の退職が同時期になったのは示し合わせたわけではなく、偶然。ただし、その背景には今の社会部長による高圧的な言動があったのではないかといわれています。退職する3人は子供が生まれたり、結婚したばかり。そのため社会部長に“今は転勤は勘弁してほしい”と伝えていたものの、部長は“裏切り者”“そんなわがままは通用しない”などと言い放ったそうです」(同)
「Colabo」の支援者らが一斉に批判
続いては「記事取り消し騒動」である。朝日新聞社員が説明する。
「今年5月30日、朝日新聞デジタルは、自らを“ジョーカー議員”と称する河合悠祐・草加市議を紹介する記事を配信しました。しかしそれが女性支援団体『Colabo(コラボ)』のシンパなどから一斉に批判され、大炎上。すると朝日は記事を取り消し、削除したのです。この記事は紙の新聞に掲載される前段階で削除されたため、社外ではあまり知られていませんが、社内は大騒ぎになりました」
問題の記事は「ルポ インディーズ候補の戦い」と題する連載記事の第4回として配信された。
〈京大卒ジョーカー、挫折の先の自己実現 ウケ狙いから当選への分析〉
とのタイトルで、“ジョーカー議員”こと河合市議の経歴や、当選までの過程を本人へのインタビューを元にたどった人物ルポである。
一読して何の問題もなさそうなこの記事が炎上したのは、「Colabo」と河合市議の因縁に“触れていない”ことが原因だった。この団体は、虐待や性被害などにあった女性を支援する一般社団法人。河合市議はツイッター上などでこの団体の活動を揶揄する言動を繰り返していた。そのため、記事が配信されると「Colabo」の支援者らが一斉に批判。朝日はそれに屈する形で記事を取り消したのだ。
ちなみにこの団体に関しては、東京都から受け取っていた事業委託料に「不正受給がある」と住民監査請求が出されて都が調査に入るなど、「カネ」の面でも注目されていた。
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