立浪中日、「逆襲のカギ」は岡田阪神にあり? セ・リーグで起きた“不思議な現象”

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主要な指標は僅差

 オールスターゲームも終わり、後半戦に突入する今年のプロ野球。上位と下位の差はかなり開いたが、セ・リーグでは“不思議な現象”が起こっている。首位の阪神と最下位の中日、この2チームの主な投打成績を見ると、驚くほどその差は小さいのだ。改めてまとめてみると、主要な指標(前半戦終了時点)は以下のようになっている。【西尾典文/野球ライター】

【チーム防御率】 阪神:2.79(リーグ1位) 中日:2.92(リーグ2位)
【チーム打率】 阪神:.236(リーグ5位) 中日:.242(リーグ4位)
【チーム本塁打】 阪神:41本(リーグ5位) 中日:39本(リーグ6位)

 両チームとも持ち味は強力な投手陣で、その一方で打撃陣、特に長打力には課題があるという点は共通した特徴と言える。しかし、勝敗を見てみると阪神が46勝35敗3分で11の勝ち越しがあるのに対し、中日は34勝48敗2分と14もの“借金”を背負っている。では、ここまでチーム成績に差が出る要因はどこにあるのだろうか。

 打撃成績で両チームに大きな差がついているのが、四球と三振の数だ。四球は阪神がリーグダントツ1位の294に対して、中日はリーグ最少の178となっている(故意四球は除く)。

 阪神がチーム打率は5位にもかかわらず、チーム出塁率はリーグトップとなっており、それだけ四球から多くのチャンスを作っていることがよく分かる。逆に、三振の数は阪神が707とリーグ最多で、中日は606とリーグで2番目に少ない数字となっている。一見すると、三振は少ない方が良いという印象があるが、これについては四球の多さと密接に関連しているのだという。

打者の四球は「査定アップ」

「三振で最も多いケースは、低めのボール球になる変化球を空振りしてというものです。特に、フォークボールやスプリットなど縦に落ちる変化球は空振りがとりやすい。ただ、逆に言えば、振らなければボール球というのも確かです。岡田(彰布)監督は、シーズン前に球団と交渉し、打者の四球について査定をアップしたということが話題となっていますが、もう一つ指示していると考えられるのが低めのボールの見逃し三振は許容するということではないでしょうか。もちろんチャンスの場面などでは変わってきますが、そうすることで打者はかなり心理的にも楽になるはずです。近年は投手のレベルが上がっており、打ち崩すのは難しくなっています。そうであれば、打たなくても塁に出る方法を考えようということではないでしょうか。今のところそれが上手くはまっているように見えますね」(他球団のアナリスト)

 チャンスメーカーの近本光司と中野拓夢は、過去のシーズンと比べてハイペースで三振を喫しているが、四球については、既に揃って昨年を上回る数字を記録しており、出塁率は揃ってリーグ上位にランクインしている。彼らのようなスピードのある選手が多く出塁し、機動力を生かして攻撃しているところに中日との得点数の差に繋がっていると言えるだろう。

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