“あごカチ割るぞ” 河野太郎大臣の側近議員の暴行、パワハラ事件の舞台裏

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弟分は「暴力議員」

 次々と不具合が発覚し、収束の気配が全く見えない「マイナカード騒動」。河野太郎デジタル大臣(60)は6月17日に長野県松本市の情報創造館庁舎を訪れ、マイナカード運用の「現場」を視察するなどして騒動の鎮静化に躍起だ。「将来の総理」を見据える河野大臣。ここでつまずくわけにはいかないと必死の様子が伝わってくるが、いくらパフォーマンスに励んだところで、彼の「親分としての資質」にはすでに疑問符がついているのだった。

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 一昨年の自民党総裁選に、小泉進次郎、石破茂両代議士と「小石河連合」を組んで出馬した河野大臣。この時から“野望”を胸に潜ませ続ける彼にとって、マイナカード騒動はどうしても乗り越えなければならない大きな壁として立ちはだかっている。しかし、仮に今回の難局を切り抜けられたとしても先行きは決して明るくない。なぜなら……。

「秘書に対し、気に入らないことがあると、書類を投げつけるくらいは当たり前で、“殺すぞ”“あごカチ割るぞ”と脅すこともありました」

 こう証言するのは、河野大臣が所属する自民党麻生派のある関係者だ。そして、この関係者が明かす“殺すぞ”の発言の主は、同じく麻生派に属していた高野光二郎参院議員(48)。秘書を殴打し流血させたことが明るみに出て、今月16日に議員辞職を表明したあの「暴力議員」である。

“ろくな側近がいない”

 この高野氏、今回の暴力沙汰が表面化するまで全国的には“無名”だったが、実は永田町では“有名”な存在だった。

 もともと河野大臣の父である河野洋平元衆院議長の秘書を務めていた高野氏は、2013年に参院議員に初当選して以降、河野大臣の側近として振る舞うことが多かったという。

「河野さんは高野さんが結婚するときの仲人を務めていて、弟分のような関係でした。派の親分である麻生太郎さんは河野さんに対し、仲間を増やすため“派内で飯を食え”と指導しています。その際、高野さんが幹事役となって食事会を開くことがあり、他の議員からは“なんでお前が”と敬遠されていました」(先の麻生派関係者)

 敬遠されるのは当たり前。高野氏は秘書への暴言やパワハラが日常茶飯事で、それが政界では広く知れ渡っていたのだ。本人は会見で、流血事件についても偶然手が当たっただけというような説明をしていたが、どうやら以前から行動が問題視されていたようだ。“殺すぞ”発言はその一端で、他にもこんなことがあったという。

「赤坂の路上で酔った高野さんの体が通行人と接触して激高。“俺は国会議員だぞ!”と叫び、トラブルになったことも。そんな無茶苦茶な人ですから、退職する秘書が続出していました。今回の事件を受け、派内では改めて“河野さんにはろくな側近がいない”とささやかれています」(同)

 類は友を呼ぶというわけでもないだろうが、いずれにしても、ろくな側近がいないという事実は、将来の総理の座を狙う河野大臣の「親分としての資質」を物語っているといえそうだ。

「河野さんの“弱点”は、イラつくと官僚を怒鳴り散らすことなんです」と語るのはある官邸スタッフ。最近はマイナカードのトラブルを追及されることが多く、この官邸スタッフは「悪い癖が出ないといいんですが」と心配を口にする。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏は、

「マイナンバーをめぐる河野大臣の一連の対応には、批判を拒絶するような発言が目立ち、世論の人気という点では陰りが見え始めているように思えます」

 とバッサリ。

 6月22日発売の「週刊新潮」では、とどまるところを知らない「マイナカード騒動」の混乱ぶりと、その責任者である河野大臣を取り巻く現在の状況を詳しく報じる。

「週刊新潮」2023年6月29日号

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週刊新潮 2023年6月29日号掲載

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