「ドリル優子」を幹事長に、「政界失楽園」は衆議院議長に 「参院のドン」青木元官房長官の遺言はどこまで重みを持つのか

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衆院議長に

「かつての交際相手の名前に絡めて“モナ男”と呼ばれ続ける細野豪志元環境相、過去の犯歴に因んで“パンツ高木”と呼ばれる高木毅自民党国対委員長と並び、有り難くないあだ名が消えない状況は、当然ながら望ましいものではない。要職に据えた場合、ワイドショー、あるいはネットで“ドリル”が連呼されるのは間違いなく、首相としてはそれが内閣支持率にどう影響するかを見極めているということでした。とはいえ起用してみないことにはその影響を推し量ることは難しいのでしょうが」(同)

 その一方、青木氏が岸田首相に進言していたのが、ある人物を衆院議長にすることなのだという。

「船田元・元経済企画庁長官ですね。現在議長を務める細田博之氏は79歳で当選11回。船田氏は69歳ながら当選13回です。ただ、最有力なのが79歳で当選13回の額賀福志郎元財務相(茂木派)とされています。船田氏は一度自民党を離党した出戻り組で、そこに疵(キズ)があるのと、2015年の衆院憲法審査会で、参考人に招集された憲法学者が政府提出の平和安全法制を違憲と批判する事態を招いたことで、党憲法改正推進本部長を更迭されているのもネックでしょう」(同)

 振り返れば船田氏にも「政界失楽園」というキャッチフレーズがあったのだが……。こうして見ると、何だか悪い意味での“逸材”揃いではある。

 それにしてもなぜ額賀氏よりも船田氏を推していたのだろうか。

首相の決断は

「青木氏は額賀氏のことをこれまでの仕事ぶりから、評価していなかったようです。青木氏が官房長官時代に額賀氏は副官房長官として仕えたのですが、期待した動きが全くなかったとのことです。“汗は自分で、手柄は人に”の逆だと見ていたわけですね。その後も、派閥のボスを引き継いだ額賀氏が自民党総裁選に色気を見せ続けたり、そろそろ引き継ぐべきタイミングなのにボスのポストにこだわり続けたりと、そのたびに青木氏の神経を逆撫でしてきたようです」(同)

 加えて、茂木氏の後見人的な役割を額賀氏が担っているということも青木氏が気に入らなかったという指摘もある。

 青木氏の“遺言”はどこまで重みを持っているのか。亡くなったのだから過去の人、と片付けるのは早計かもしれない。

 青木氏は亡くなったものの、深い間柄の森喜朗元首相はいまだ健在だ。

 訃報を受け、森氏は「早大雄弁会から70年近い付き合いで、女房よりも長い関係だ。いい兄貴分だったので本当に寂しい」などと振り返っている。

 その青木氏の遺言を知る森氏は、安倍元首相亡き後、羅針盤を失った形の最大派閥・安倍派の方向性を実質的に決定づける重要な役回りを依然として担っている。それだけに、岸田首相の振る舞い方に注目が集まることだろう。

デイリー新潮編集部

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