天海祐希は宝塚退団後、石原軍団入りを希望していた…筆者がホテルで目撃した面倒見の良さとは

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石田ゆり子は「アニキ」、米倉涼子は「親方」

 表面上はクールで厳しいが、本当は児童思いの小学校教師に扮した日本テレビ「女王の教室」(2005年)も大当たり。強い使命感を抱いて報道に臨むキャスターを演じたフジ「トップキャスター」(2006年)もヒットした。どちらの役柄も凛々しかった。

 ほかにも、劇場版「緊急取調室 THE FINAL」の公開延期発表(6月1日)がファンを落胆させた、テレビ朝日「緊急取調室シリーズ」(2014~2022年)などが当たった。天海ほどヒット作の多い女優は滅多にいない。

 天海という女優が不在だったら、おそらくドラマ界の作品の幅はかなり狭まっていた。「天海しか主人公の適任者が思い浮かばない」という作品は多い。

 半面、誰にだって向かない役はある。ツキに見放された売れない演歌歌手役の日本テレビ「演歌の女王」(2007年)はコケた。観る側の多くは、3枚目で情けない天海は望んでなかったようだ。演歌の世界も天海には合わなかったのかも知れない。

 やはり振るわなかったのが、小説を原作としたフジの大作スペシャルドラマ「女信長」(2013年)。天海は主人公・女信長役。たぶん天海以上に適任者はいないだろう。それでも、史書を抜本的に改変したストーリーが視聴者に広くは受け入れられなかった。

 現在放送中の「合理的にあり得ない」で演じている元弁護士の探偵・上水流涼子は、典型的なハンサムウーマン。天海が得意とする役柄である。視聴率も上々(5月29日放送の第7話は個人4.3%、世帯7.5%、ビデオリサーチ調べ、関東地区)。今後、終盤に入る。新たに強力な敵が現れるらしく、より盛り上がるだろう。

 役柄を離れた天海の人柄は、親しい女優仲間からどう呼ばれているのかにも表れている。フジの連ドラ「カエルの王女さま」(2012年)などで共演し、一緒にトーク番組のMCも務めた石田ゆり子(53)からは「アニキ」と呼ばれている。兄貴肌で面倒見がいいからだろう。

 現在の所属事務所・研音の後輩たちのこともかわいがっている。竜星涼(30)がフジの冬ドラマ「スタンドUPスタート」(2023年)で初主演を果たすと、サプライズ的なゲスト出演を買って出た。

 米倉涼子(47)からは「親方」と呼ばれている。およそ女性に対する呼び方とは思えないが、天海だと不思議と納得してしまう。これも頼りになるからに違いない。2人は共演歴がないものの、親しい。米倉もハンサムなところのある大物女優なので、気が合うのではないか。

 結婚については非婚を宣言済み。2016年9月、阿部寛(58)と夫婦役で共演した映画「恋愛家宮本」の出品のため、カナダのモントリオール世界映画祭に参加した際、舞台挨拶で「(自分自身は)結婚する気は1ミクロンもありません」と言い切った。

 仕事に専心するという意味だろう。今後もヒット作が増え続けるのではないか。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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