「チーム内の雰囲気が最悪だった」クボタ、なぜ日本一になれた? 団結力を育むために「紙ヒコーキ大会」

スポーツ

  • ブックマーク

Advertisement

 ラグビーの試合ほど番狂わせの少ない競技はないかもしれない。いわんや長丁場のリーグ戦においてをや。

 ジャパンラグビーリーグワンもしかり。2003年にトップリーグとして発足してから、優勝は埼玉(旧パナソニック)、東京SG(旧サントリー)、BL東京(旧東芝)、神戸(旧神戸製鋼)の4チームに限られていた。

 5月20日、国立競技場に4万人を超える大観衆を迎えて行われたプレーオフ決勝も、連覇を狙う埼玉の圧勝――というのが下馬評だった。

 だが、17-15で接戦を制したのは東京ベイこと旧クボタ。創部1978年以来、初の日本一である。

 年間MVPに輝いた主将の立川理道(はるみち・33)が入団した2012年当時、クボタは下部リーグに低迷していた。

「当時は、選手同士のけんかが絶えず、チーム内の雰囲気は最悪だったようです」

 と明かすスポーツライターによると、チームが変容したのは、南アフリカからフラン・ルディケヘッドコーチを招聘(しょうへい)した16年のこと。

「一目見るなり彼はチーム内の不和を察知。まあそれほどひどかったわけですが、まずはそこにメスを入れることにしたのです」

紙ヒコーキ大会

 たとえば、クボタという会社について皆で学ぶ、外国人選手の出身国について皆で学ぶ、なんていうことを始めた。小学校みたいだが、団結力を育むための監督のアイデアは他にも。

「チームを縦割りの4班に分け、週1回ゲーム大会を開催。決勝前々日に行われたのは『紙ヒコーキ大会』。どの班が作った紙ヒコーキが一番飛ぶかを競って盛り上がったそうです」

 大男たちが肩を寄せ合いスクラムならぬ折り紙に興じる姿――想像するだに苦笑を禁じ得ないが、

「殺伐とした組織をここまで和気あいあいとしたチームに変えるのは、ある意味すごいこと。そして、それには8年もの時間が必要でした」

 あなたの会社でもまねしてみる?

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。