山口補選、安倍昭恵さんの熱心な活動に周囲も驚き 一方、岸田総理との間でハレーションを起こす懸念も

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「詳しいことは何も聞いていないし、決まってもいない。これからだと思う」

 安倍晋三元総理の死去を受けた衆院山口4区補選で、昭恵夫人(60)は亡き夫の後継を担う吉田真次氏(38)を初当選に導いた。それでも投開票日の4月23日には記者団に複雑な心情を吐露していた。

 政治部デスクが解説する。

「現在の山口4区は次回から新3区に編入されます。昭恵さんはそれを念頭に置いたのか“私としては吉田真次さんに(今後も新3区で)頑張っていただきたい”と続けた。告示後に“主人の最後の選挙”と位置付けて、周囲が驚くほど熱心に選挙活動を手伝っていましたからね」

 吉田氏は2位にダブルスコアの差をつけて勝利した。

「前回の安倍総理は8万票余りを得ましたが、吉田の得票はおよそ5万2千票。出陣式で昭恵さんが訴えた圧倒的勝利にはほど遠い“辛勝”でした」

 理由はあれこれ取り沙汰されているものの、

「最大の理由は“吉田さんは知名度も実績も乏しい”“安倍さんの後継と言われてもピンとこない”と動かない支援者が多かったこと。しかも、現4区はいずれ林(芳正・外相)さんの地盤になるともっぱらのうわさだった」(後援会関係者)

“亡き総理の意向でもある”

 林氏は岸田文雄総理が会長を務める宏池会のエース格で「ポスト岸田」の有力候補。永田町でも「新山口3区は林で決まり」(自民党ベテラン議員)との見方が定着しつつある。

「林さんが派閥を挙げて選挙区を取りにくるのは時間の問題。その意味で、昭恵さんが吉田さんの選挙戦を強く支援することには大きな意味がありました」

 と言うのは自民党幹部。

「清和会(安倍派)は昭恵さんに、彼女と親しい県議を通じて“吉田を支援してほしい”との意向を伝えていたそうです。“元総理の弔い合戦で、恥ずかしい結果は残せない”“圧倒的勝利を収めれば、新3区も清和会が仕切れる。それは亡き総理の意向でもある”といった内容だったとか」

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