「40機」「整備士」「不仲」…沖縄・陸自ヘリ「UH-60JA」墜落事故で浮かび上がった陸上自衛隊の問題点

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 陸上自衛隊の関係者は「事故の直接的な“原因”だけでなく、組織的な問題が生んだ“遠因”も解明すべきです」と訴える──。4月6日、沖縄県の宮古島付近を飛行していた陸上自衛隊のヘリコプター「UH-60JA」が墜落した。このヘリには熊本県に司令部を置く第8師団の幹部が搭乗していた。

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 第8師団は有事即応を命じられた「機動師団」であり、東シナ海有事では沖縄県など南西諸島で敵軍を迎え撃つことが任務だ。

 墜落したUH-60JAには10人が搭乗。師団長だった坂本雄一陸将(55)、庭田徹1等陸佐(48)、神尊皓基3等陸佐(34)らの死亡が確認された(註:年齢はいずれも事故当時)。

 坂本師団長は3月30日に着任。今回のヘリ飛行は、有事の際に派遣される宮古島周辺を上空から視察することが目的だったようだ。

 5月2日にはフライトレコーダーを回収。7日には機体の主要部分が熊本県益城町の高遊原分屯地に到着し、陸上自衛隊の事故調査委員会による調査も始まった。陸自の関係者が言う。

「事故の原因究明には時間がかかるかもしれませんが、徹底的な調査と情報開示が必要なことは言うまでもないでしょう。ただもう一つ、陸上自衛隊が抱える組織的・構造的な問題が浮き彫りになっており、これを無視するわけにはいきません。例えば、陸上自衛隊はUH-60JAをわずか40機しか保有していません。この問題点を真正面から報じたメディアは皆無と言っていいでしょう」

 アメリカのシコルスキー・エアクラフトは1974年にUH-60の初飛行を成功させ、アメリカ陸軍は79年から運用を開始した。

性能の高いUH-60

 UH-60は多目的ヘリコプターと分類されるだけあり、その用途は広い。機関銃や榴弾砲、対戦車ミサイルなどを搭載して空中から敵を攻撃するだけでなく、特殊な電子機器を積めば敵軍のレーダーや通信機器を妨害することも可能だ。

 医療用ヘリとして負傷した兵士を後送する機もあれば、輸送用ヘリとして兵站を担う機もある──UH-60は高性能で使い勝手がいい。そのため、大統領用専用ヘリ「マリーンワン」に採用されているほか、特別に無音、ステレス化したUH-60がウサマ・ビン・ラーデン(1957~2011)の殺害作戦にも投入された。

 陸上自衛隊が使っているUH-60JAは、三菱重工業がライセンス生産を行っている。1995年度予算から調達を開始し、2013年度までに40機の予算を計上。22年3月末時点で、実際に保有している機数も同じ40機だ。

 日本の領土を守る陸上自衛隊が保有するヘリが40機!?──ひょっとすると、驚いた方もおられるだろう。

 陸上自衛隊はUH-1Jなら100機以上を保有している。1Jには機体の80%に国産技術が使われているとはいえ、1956年にアメリカのベル・エアクラフト社が開発したUH-1がベースになっている。

 確かにUH-1を今でも現役で使っている軍隊は多い。しかし、ベトナム戦争で活躍したヘリだ。当然、最新鋭とは言い難く、UH-60JAとの性能の差は著しい。

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