衝撃の前田敦子ネタから11年…キンタロー。のものまねが面白いのはなぜか

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国際色豊かなネタで新境地を開拓

 4月12日、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)にキンタロー。が出演した。芸人が30秒以内の超ショートネタで競い合う「30-1グランプリ」にエントリーした彼女は「中国の京劇 変面のラスト30秒あたり」と「お隣の国の幼稚園児のお遊戯」という国際色豊かな2本のネタを披露して、大反響を巻き起こした。

 彼女は以前にも同じ企画で「北京オリンピックで見た天才子供トランペッター」のネタで爆笑をさらっていた。これまでにさまざまな芸能人のものまねを演じてきた彼女だが、最近では外国文化のネタで新境地を開拓しつつある。

 アイドルの世界などと違って、お笑いの世界ではデビュー直後に売れっ子になる人はほとんどいない。芸人には確固たる「芸」が求められており、それは一朝一夕で身につくようなものではないからだ。

 しかし、ごくまれにそのセオリーを覆す逸材が現れることがある。芸歴1年目で鮮烈なデビューを飾り、一気に有名になったキンタロー。は、そんな歴史に名を残す逸材の1人だった。

AKB48の振り付けを全力で踊り人気者に

 彼女が世に出るきっかけになったのは、2012年12月に放送された「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)と「有吉反省会」(日テレ系)である。そこでAKB48の前田敦子のものまねネタを披露したところ、大反響を巻き起こして、一気に世間の注目を集めた。

 当初は、AKB48の熱狂的なファンの一部から感情的な反発も見られたものの、あっという間にそれも沈静化していき、キンタロー。はバラエティを中心にあらゆる番組に引っ張りだこの人気者となった。

 彼女が注目された最大の理由は、ものまねの題材選びの斬新さである。当時、圧倒的な人気を誇っていたAKB48のものまねをするというのは、ありそうでなかった革新的なアイデアだった。

 また、彼女はAKB48のものまねをするのにうってつけの資質を備えていた。それは、特徴的な見た目と卓越したダンスの腕前だ。キンタロー。は頭部が大きく背が低いコミカルな体形である。そんな彼女がアイドルを演じると、それだけで強烈な印象が残る。

 しかも、社交ダンスの講師を務めていたこともあり、ダンスの実力は折り紙付きだった。本物をしのぐほど切れのある動きでアイドルの振り付けを全力で踊るからこそ、外見とのギャップで笑いが増幅することになる。

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