“新井さん流”、アニキを反面教師に奮闘中 総ザンゲの評論家「監督の資質は上」の声

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新井ガッツ?

 その上でこう続ける。

「新井は広島から金本がいた阪神にFA移籍するなど、生き方に至るまで大きな影響を受けた。しかし、監督としての采配を見ると、結果的に反面教師にしているようだ」

 広島は4月16日のヤクルト戦(マツダ)で、田中広輔が4点を追う六回に起死回生の満塁本塁打を放った。

「血が沸騰するようなホームラン。今年に懸ける気持ちは分かっているので、私が一番うれしかった」

 ベンチでは誰よりもはしゃぐ新井監督の姿は話題を呼んだ。田中がその前に2年ぶりに本塁打を放ったときも「彼もうれしいと思うけど、僕もうれしい」と我が事のように喜んだ。

 4月23日のDeNA戦(マツダ)では栗林が同点の九回に決勝点を献上し、早くも3敗目を喫した。この試合後も新井監督は栗林の中継ぎ降格や2 軍での再調整を否定し、クローザーとして変わらぬ信頼感を示している。

 中日の落合博満元監督は試合中の選手の活躍にも微動だにせず、ほとんど感情を表に出さなかった。巨人の原監督は懲罰的な采配で選手の反発心を刺激する手法を、今でも採っている。

 一方で近年、阪神監督1 年目にチームを最下位からAクラス入りに導いた矢野燿大前監督は賛否両論ありながらも「矢野ガッツ」と呼ばれた喜怒哀楽を前面に出すスタイルだった。

「低迷するチームを引き上げるには監督のこういう姿勢はプラスに働くのかもしれない。それにしても新井の感情表現は選手に近い。より選手に寄り添って戦っているようだ」(元監督)

 選手生活で金本氏の背中を追い続けた新井監督。監督生活では追い越せるか、今後の采配ぶりに要注目である。

デイリー新潮編集部

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