なぜ春ドラマが刑事モノばかりに? 専門家が教える注目作品とは

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 黒船来襲とばかりにNetflixやAmazonが続々と話題作を放つ一方、民放各局が“力瘤(こぶ)”を入れるのが春ドラマだ。失地回復を狙う「月9」や政治の動向が懸念の「日曜劇場」。事務所イチ押しの若手女優が奮闘すればギャラの高騰に沸くベテランもいて……。

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 春、新年度を迎え、どこか気もそぞろになる季節である。企業でもこれまでの業績不振を脱せんと新たな施策で反転攻勢を狙うところもあれば、支出を抑えて財務状況を改善しようという会社もある。その企業活動の影響をもろに受けるのがテレビ局だ。

「キー局にとって、春ドラマはその年の業績を左右する非常に重要な要素です」

 と解説するのはさるキー局幹部である。

「春はスポンサーがテレビ局との契約を見直す季節でもあります。いいスポンサーがつくかつかないか。春に強いラインナップをどれだけそろえるかによって、その成否が決まるのです」

刑事ドラマの多さ

 確かに今クールのドラマを見渡せば、木村拓哉(50)、福山雅治(54)、大泉洋(50)、天海祐希(55)といった安定のベテラン俳優から、小芝風花(26)、橋本環奈(24)といった今をときめく女優たちも勢ぞろい。そうしたラインナップの中で目に付くのは「刑事ドラマ」の多さである。キムタクのフジ月9「風間公親-教場0-」はその筆頭。他にも福山雅治と大泉洋が主演するTBS日曜劇場「ラストマン」に加え、NHK「育休刑事」(火曜22時)のように世相を反映したドラマまである。

 芸能記者が言う。

「やはりテレビ朝日の『相棒』が人気シリーズとなったことで各局とも同様の刑事ドラマコンテンツが欲しいと考えているのです。そもそも犯人を捕まえるという“勧善懲悪”のストーリーは、高齢者の視聴率が取れる手堅いコンテンツ。『相棒』がいつまでも続くわけはないので、第二のヒット刑事ドラマをとばかりに、各社遮二無二になっています」

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