「ポスト栗山」本命は新庄監督次第のワケ 対抗馬に吉井・高津、大穴は“殿堂監督”

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吉井監督には佐々木のお守り役の強み

 吉井監督も有力候補の一人だ。今大会以前から日本ハムコーチとしてダルビッシュ、大谷をみてきた。

「佐々木(朗希=ロッテ)は次回大会を24歳で迎え、(契約金に制限がかかる25歳になっていないため)メジャーには行っていないだろう。順調に成長すれば、代表でエースとなる。吉井監督はもともと(昨オフに)佐々木育成のため、ロッテ監督に抜てきされた経緯がある。大谷、ダルを含め中心選手と密な関係にあるという点で、最適任者かもしれない。名投手コーチであることは間違いなく、初めて監督を務めるロッテでミソをつけなければ、有力候補になってきてもおかしくない」(前出の元監督)

 その他に現役NPB監督の候補者では、時代に逆行する感がある原監督ではなく、セ・パ両リーグで昨季まで2連覇中のヤクルトの高津臣吾監督、オリックスの中嶋聡監督の評価が高い。ともに補強に頼らず、自前で育成した若手を使い切ってチームを強化した。

「今回の日本の優勝で、対戦相手の情報をはじめメジャー勢がもたらすモノが大きいことが改めて分かった。栗山監督がメジャーに精通していたことはプラスに働いただけに、高津監督の現役時代のメジャー経験は強み。日米以外に韓国、台湾、独立リーグでプレーしただけに、引き出しは多い」(元WBC日本代表コーチ)

 同様にメジャー経験者監督の、ロッテの井口資仁前監督、楽天の石井一久監督、西武の松井稼頭央新監督を実績、経験でリードする。

イチロー氏は過去に「人望ないから」発言

 実現性は低いとされながらも、選手でメジャーを経験した日本ハムの新庄剛志監督、元ヤクルト捕手で監督の古田敦也氏、そしてイチロー氏の名が挙がっている。新庄監督、古田氏はNPB監督としての実績に乏しく、イチロー氏には監督経験すらない。WBCでのイチロー氏をよく知る前出の元NPB球団監督は「新庄監督は今年、日本一にでもならない限りは(代表監督は)ないと思う。古田氏は表現こそ違うものの現役時代の『代打オレ』のように、新庄監督と同じで選手より自分が前面に出る」と否定的な見解を示した上で、“イチロー監督誕生”を夢見る。

「大谷らスター選手を束ねる監督としてネームバリューは申し分ない。日米での選手の実績は言うまでもなく、25年の年初には米国野球殿堂への一発当選が確実。殿堂入り監督としてWBCで指揮を執れば。『人望ないから』と監督というものに前向きではない本人の気持ちと、託す側が夢の膨らむ話を描けるかどうか。ファンならずとも、これまでWBCの象徴的存在になってきたイチロー監督はみてみたい」

 栗山監督を除けば、いずれも決め手に欠けるWBC次期監督候補の人選の結論はいかに――。来年11月に日本の2連覇が懸かる「プレミア12」の開催を控え、残された時間は多くはない。

デイリー新潮編集部

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