「高市氏」問題で「捏造文書」流出の黒幕と今後の展開

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岸田首相の捉え方は?

 この件を岸田文雄首相はどう捉えてきたのか?

「更迭すべきだと岸田首相に進言した重要閣僚や自民党執行部の幹部もいましたが、表向きは24日の参院予算委員会で”いきなり更迭うんぬんはあまりに論理が飛躍している”と述べたようなスタンスでいるようです。実際、更迭すべき明確な理由はなく、無理やり探しても国会の混乱くらいしか思い浮かびません。高市氏の問題は岸田首相に関係していないので、首相自身それほど関心がないようです。更迭すべき理由が出てくれば躊躇しないとは思いますが、そうはならない可能性が高いと見られています」(同)

 仮に岸田首相がどっしりと腰を落ち着けていられたのだとしたら、予算案の成立が憲法の規定で決まっていたということもあるだろう。野党側は、予算案の成立を人質に取って高市氏更迭を迫る審議拒否戦術を採ることができなかったからだ。

「当時から高市氏とソリが合わなかった総務省の最高幹部が黒幕だという説は根強くありますが、その人物が表に出て何か発言するといったことはなさそうです」(同)

高市氏への私怨が告発のきっかけか

 実のところ、仮に「捏造」「辞任」発言がなければ、この件はここまでの注目を集めなかっただろう。リークした側の動機は、高市氏への私怨が告発のきっかけと見られている。ちなみに小西議員は総務省出身なので、知人が多いのは間違いない。

「それにしては詰めが甘いと言うか、彼女のクビを取れるネタではないように感じてきましたし、実際そうはなっていません。そもそも高市氏はNHKに対しては厳しい態度を見せてきましたが、民放に圧力をかけたというようなことはないでしょう。むしろ頼れる存在だったという面もある。事実、今回の文書を見ても、別に民放を彼女が攻撃したとか、厳しい対応を総務省側に指示したといったことは読み取れません。その意味では民放は高市氏に恩義があるので、今回の件について一部の番組を除き徹底的な批判は控えているように映りますね。一言でいえば冷静な印象です」(同)

 今後の展開については?

「国会で質問の時間がないとなれば、取り上げられる機会も減りますから、国民の記憶も薄まって行くことになるでしょう。高市氏の方も年内にはありそうな内閣改造で交代することは不可避と見られます。捏造という極めて強い言葉を使ってしまったのは良くなかったと評されていますが……」(同)

 小西議員はいまだ意気軒昂で、ツイッターを使って高市氏批判を繰り返し、また自身に対するコメントの一部に対して「法的措置」を取ると連呼しているのだが、大山鳴動して鼠一匹という言葉が浮かぶような展開なのだ。

デイリー新潮編集部

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