「教団の資産をカルト被害者に寄付したい」 大川隆法の長男が語る相続問題

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信者数は公称1100万人だが…

 振り返れば、東京大学法学部を卒業後、大手総合商社を経て1986年に教団を立ち上げた大川総裁は、全世界に1万超の拠点を構え、日本国内に公称1100万人の信者がいると喧伝。

 09年には政治団体「幸福実現党」を創設して大川総裁自身も同年の衆院選に比例で立候補し落選したが、国政選挙における得票数が約46万票だったことから、実際の信者数は推して知るべしと揶揄された。

 前出の記者が言うには、

「大学設立をもくろんだこともありましたが、科学的根拠を欠く霊言を前提にするカリキュラムが問題視され、結局文科省の認可は下りませんでした。また、霊界と交信できると称して耳目を集めてきた大川総裁でしたが、各界の偉人や著名人の霊を自らに憑依させて語る『公開霊言』シリーズの出版で、存命中であっても本人の許諾を取らず本にするなど、その荒っぽい手法は賛否両論を巻き起こし、最近は勢いも落ちていました」

 悲願だった政界進出や大学認可がかなわず、拡大路線にも陰りが見え始めたのと軌を一にして、家庭内不和が顕在化していった。

「教団自体が終わったも同然」

 離婚騒動に続き、5年ほど前には教団関連企業の役員だった大川総裁の長男・宏洋(ひろし)氏(34)が、父に反旗を翻し、教団批判の急先鋒に立って活動している。

「正直なところ、教団の後継者が誰になるのかは宙ぶらりんで、まったく決まっていないと思います」

 と話すのは、当の宏洋氏。

「隆法自身、後継者を誰にするかは常に気にかけていました。長男である私が教団を継ぐことになっていたのですが、中学受験に失敗して以降は、長女の咲也加が有力でした。ところが、彼女も隆法が亡くなる直前、神戸の教団施設に左遷されたと聞いています。父との関係が悪化し、教団の中枢から外されたのでしょう」

 すでに次男の真輝氏も教団と距離を置いたとの話もあって、残る次女や三男とも兄妹間で音信不通の状態が続いているというのだ。

「私は政治団体『カルト宗教から国民を守る党』を立ち上げ、3月11日に教団への抗議デモを計画していましたが、隆法は裁判所に差止請求を申し立てたんです。長女との関係悪化もあってかなりの心労を抱えていたと思う。80歳過ぎまでは生きるなんて公言していましたけど、全然予言が当たりませんでしたよね。正直、死んだと聞いてよかったなと思いましたよ。隆法はカルト宗教のワンマン教祖だったわけで、彼が死んだら教団自体が終わったも同然。カルト被害を無くすという自分のすべき仕事が片付いた思いです」

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