東京新聞・望月衣塑子氏は「記者」なのか「活動家」なのか 法務大臣会見で目撃した“偏り”

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トップバッターに選ばれた望月氏

 その後は挙手制となる。「そのほかにご質問ありましたら挙手をお願いします」と司会役の広報課職員が言い終わるかのタイミングで、望月氏の左手があがった。

「東京新聞さん」

 トップバッターに選ばれた望月氏の口元を、大臣のかたわらに座る秘書官、廊下に溢れ出るほど控えている法務省・出入国管理庁の職員たちが固唾を飲んで見守る。初めて法務大臣会見に参加した記者はびっくりしたが、20分程度で終わる記者会見のために、20人以上の官僚が会場に詰めているのだ。不測の質問が飛び出した時、ペーパーを大臣に差し出すためである。

 望月氏の質問はやはり入管法改正問題についてだった。

「東京新聞、望月です。入管法改正でお聞きします。昨日、全国各地で入管法廃案や反対を求めるデモが行われました。上野では400人、名古屋では学生ら80人が参加したということで、罰則を設けても母国に帰れない理由はなくならない、第2第3のウィシュマさんを生むのではないかと、強く皆さん訴えて、繁華街を練り歩いたということです。このような全国各地で法案に対する反対運動が大きくなっていることに対する、まず受け止めをお願いします」

 齋藤大臣は下記のように答えた。

「まず、一番大事なことは、現行入管法下で生じている送還忌避・長期収容、こういった問題は、とにかく早期に解決すべき喫緊の課題であると。そして他方で、人道上の危機に直面している真に庇護すべき者を確実に保護する制度の整備も、この両方をしっかりやっていくということが重要な課題だろうと思っていますし、こういった入管制度全体を適正に機能させて、保護すべき者を確実に保護しつつ、ルールに違反した者には厳正に対処できる制度にするために……(後略)」

何度同じ質問を…

 一見まともに聞こえる望月氏の質問だが、某社の記者はこう解説する。

「何度同じ質問をするんだと言いたいです。ちょっと切り出し方が変わっているだけで、新しい切り口がまったくない。彼女は入管法改正反対の立場なのですが、反対派団体に肩入れした質問を繰り返しているのです。ちょっと前には特定の学生団体を持ち出し、面会を求める彼らに“会うつもりはあるか”とまで詰め寄っていました。毎回、同じ質問をしても、同じような答弁が出てくるだけ。何のために質問しているんだろうと思ってしまいます」

 司会が次の質問を促すと、望月氏は再び手を挙げ始めた。

 だが、他にも質問したい記者はいる。まず、フリージャーナリストが同じ入管法改正問題で、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の見解を法案にどう反映させるつもりなのかと聞いた。

 続くNHK記者は、強制性交等罪を不同意性交等罪に罪名変更する理由について。読売記者は令和4年の難民認定の速報値が約200人となり、前年の倍以上に増えた問題。このように法務行政は多岐にわたり、記者が扱うニュースは入管法改正問題だけではない。さまざまな問題について大臣に見解を質すのが“一般的な新聞記者”の仕事である。

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