尹錫悦大統領「日本は変わった」発言の重大な意味 松野官房長官は何も分かっていない?

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“韓国の日本理解”を初めて変えた歴史に残る大発言

 どんな国でも、意味を変えられない言葉がある。「ファイナル・ボキャブラリー(最終語彙)」と言われる。韓国では「日本軍国主義」「日本植民地主義」がそれに当たる。戦後日本は軍国主義でも植民地主義でもない、と誰も言えない。

 日韓関係は、なぜよくならないのか。最大の原因は、韓国のマスコミや世論が「戦後の日本は変わった。軍国主義でも植民地主義でもない、平和国家だ」と認めないからだ。日本政府も「日本は変わった。戦後は、平和国家で軍国主義国家ではない」と、韓国に主張しなかった。

 その日本理解を韓国の大統領が、初めて変えた。また、いわゆる徴用工に対する賠償判決の解釈も、3月6日に変えた。歴史に残る大発言である。

 韓国の有力紙「東亜日報」は、尹錫悦大統領が3月1日の「3・1独立運動記念日(日本からの独立運動)」の演説で、「日本は過去の軍国主義から、普遍的価値を共有し、安保と経済、グローバル・アジェンダで協力するパートナーに変わった」と発言したことを報道した。これは重大な発言で、どの大統領もこれまで「日本は変わった」とは言えなかった。

日本ではなぜほとんど注目されなかったのか

 日本の新聞・メディアは「パートナーに変わった」ときちんと翻訳せずに、「パートナーになった」と誤訳した。政治外交的には、誤訳である。読者が変化を理解できるように伝えなかった。

「日本は、…変わった」との表現は歴史的な意味を持つが、「日本は…、なった」では意味がない。尹大統領は、韓国民にも日本国民にも衝撃を与えるつもりで発言した。それを、東亜日報紙は十分に汲み取っていた。

 だから、「変わった」発言の歴史的意味は、日本ではほとんど注目されなかった。韓国のマスコミ・世論と空気は、「日本は今も軍国主義」で「変わっていない」と思い続けてきた。「日本は変わった」と言えば、「親日派」と批判され社会から抹殺されかねない。これは、日本人には到底理解できない「韓国文化」だ。

 尹大統領は、これを打ち破ろうとした。親日的と言われた朴正煕大統領や高官でさえ、「日本は変わった」とは言えなかった。それをあえて「日本は変わった」と明言した尹大統領は、勇気ある政治家である。

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