「女神の教室」VS「罠の戦争」「ブラッシュアップライフ」の明暗 テレビマンが分析する“リアリティ問題”

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「エルピス」から「罠の戦争」へ

「私たちはテレビ局に入社した時、先輩社員から『ニュースや情報番組はもちろん、たとえフィクションでも嘘を言ってはいけない。必ずウラを取ること。視聴者は嘘か誠か勘でわかる生き物だ』と耳にタコができるほど聞かされました。たとえ法科大学院に通ったことのない視聴者でも、嘘クサさはすぐに見抜かれるものです」

 ならば、リアリティのあるドラマとは?

「今シーズンなら、月9に後に放送されている『罠の戦争』(フジ/カンテレ制作)がその一つでしょう」

 草なぎ剛がジャニーズ事務所を退所して以来初の主演ドラマで、初回9・3%と二桁に届かなかったが、今も8%台をキープしている。

「準キー局が制作するドラマとしては合格点と言っていいでしょう。復讐を果たすために議員秘書から代議士になるわけですが、選挙に勝つための地盤(地元後援会)・看板(知名度)・カバン(選挙資金)の“三バン”をリアルに描いています。同じ枠で前期に放送された長澤まさみ主演の『エルピス―希望、あるいは災い―』もリアリティたっぷりで話題になりましたが、平均視聴率は6・3%とそれほど伸びなかった。その理由は、画面が暗く中身も重い上に、痛快感が乏しかったためでしょう。『罠の戦争』はリアル感に加え、勧善懲悪、痛快さ、画面の動きで『エルピス』を凌駕していると思います」

 はからずも月曜夜に続けて、リアリティのないドラマとリアルなドラマが放送されることになってしまったわけだ。

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