移住者への“七か条の掟”で話題の池田町 移住者のリアルな声「目的の分からない草刈りが」

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埋めがたい溝

 汗をかかず何でも金で済ませようとする姿勢が、まるで「都会風を吹かしている」ように見えるそうだ。

 とはいえ、地元からすれば払ってほしいお金もある。かつてはよそから越してくると“入会金”代わりに30万円を払わせる集落もあったが、今は集落ごとに徴収される「区費」という制度が一般的なんだとか。

「集落で値段は変わりますが平均で年間約2万円。義務でも強制でもなく、徴収しない集落もありますが、払わない移住者が増えました。集めた区費はお宮や寺の修繕、区道の整備、除雪などに使います」(同)

 かたや名指しされた側はどう思っているのか。さる移住者に聞くと、

「共同作業で誰も使わない林道の草刈りを、昔からの決まり事だからと半日とか1日かけてやる。私たちからすれば、何のためにって思ってしまいますよね。区費についても明細が知らされなかったり、請求書のように区費をお願いする紙切れがポストに入っているだけだったりで、不親切なんです」

 双方の間に埋めがたい溝があるようだが、当の池田町の見解はこうだ。

「町外からの批判が役場にも続々届いていますが、町民たちが美しい池田を昔から守り続けてきてくれたわけで、移住を考えている方々にも、この七か条を指針としてもらいたいと考えています。文言は必要があれば、区長会で変えていくとは思いますが、今の時点でそういう話は聞いていません」(総務財政課)

週刊新潮 2023年2月23日号掲載

ワイド特集「竜虎相うち蝸角争う」より

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