自衛隊で異例の「上司へのパワハラ」が! 5人の“メンタル破壊”で免職処分に

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自衛隊女性隊員による“逆パワハラ”騒動の舞台裏(前編)

 不祥事が多発する自衛隊で前代未聞の事件が起きていた。あろうことか部下が複数の上官に“逆パワハラ”を働き、メンタルを崩壊させたというのだ。当事者として免職処分を受けた「女性自衛隊員」の告白に耳を傾けてみると……。

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 来年で創設から70年の節目を迎える自衛隊が、かつてないほど存在感を高め、世間の注目を集めている。

 ひとつは岸田政権が目玉政策として推し進め、今国会でも議論されている「防衛費の増額」問題。「敵基地攻撃能力」など中国やロシア、北朝鮮の脅威に対処すべく、防衛力の抜本的な強化の動きが始まっているのはご存じの通りだ。

 そしてもうひとつは、自衛隊という組織の在り方にかかわる問題である。本当に有事へ即応することができるのか。その資質が問われる組織に、最近とみに不祥事が頻発しているのだ。

初歩的な失態の背景

 衝撃的だったのは、1月10日に海上自衛隊の護衛艦「いなづま」が起こした座礁事故だろう。事故当日、現場となった山口県の周防大島沖は好天で視界良好。にもかかわらず、護衛艦は瀬戸内海の漁師など周辺海域を航行する者なら「誰もが知る浅瀬」に突っ込んでしまった。台湾有事どころか、おだやかな自国の内海での珍事だ。

 原因は未だ調査中だが、海上自衛隊のトップである酒井良・海上幕僚長が人為的ミスの可能性について言及。すわ有事ならば、敵に撃沈されてもおかしくない初歩的な失態の背景には、隊員たちの士気低下など組織全体にタガの緩みがあるのではないのか。

 事実、この事故以外にも海自では個々の隊員が犯した不祥事が多発している。

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