批判を一切許さない日本共産党の異様な体質 不正を告発して除籍された元板橋区議は「要するにブラック企業なんです」

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「党の決定に従わない」行為

 ちなみに“分派活動”について松崎氏は、前掲の「日本共産党 暗黒の百年史」で以下のように記述している。

《私が党の地方議員(東京・板橋区議)であったとき、区政に関わるある不正事件が発覚し、私が党議員としてその事件の究明と、責任追及の論戦を担当することになった。すると不正の当事者から私は「名誉毀損」で提訴されてしまった。私は、党に裁判への支援を求めたが党は応じてくれなかった。困り果てた私は不正事件についての党内の理解を得ようと、事件に関する資料を党内で配布した。私の地元の居住支部の党員や支持者たちは、党中央あてに、私への支援を求める署名を集め、手紙と共に郵送してくれたりもした》

《ところが党はこれらの活動が分派活動であり、反党活動であると警告してきた。党は裁判に関与しないと決定したにもかかわらず、勝手に資料を配付したことは第三条(二)項に反する「党の決定にしたがわない」行為だといい、支部が署名を集める行動は党決定に反抗する分派の形勢にあたるとされたのである》

共産党は消滅の運命

 もし志位委員長が「松竹氏の批判を虚心坦懐に受け止め、参考にすべきところは参考にする」と言っていれば、何の問題にもならなかったに違いない。

 松崎氏は皮肉を込めて、「日本共産党がこれほど注目を集めたのは久しぶりではないでしょうか」と言う。

「党勢の衰退は著しく、まさに断末魔の苦しみを味わっています。党は党員に『以前に赤旗を購読してくれた読者の自宅を訪問し、再購読をお願いしろ』と指示していますが、そんなことが今さらうまくいくはずがありません。例外的に民青(日本民主青年同盟=日本共産党の下部団体)が貧困に苦しむ若者にフードバンクを提供するなどして党員を獲得しています。率直に言って、ご飯で釣って党員にしているようなものですから、これも長続きしないでしょう」

 マルクス・レーニン主義を深く掘り下げて研究する党員など、今では皆無だという。

「先日、現役の党員と話をしていると、『天皇陛下』と平気で口にしているので驚きました。日本共産党は天皇制に批判的な立場を取っていますが、そんなことも知らないのでしょう。こんな不勉強な党員ばかりなのですから、党勢の退潮を止められるはずもありません。党の消滅は時間の問題です」(同・松崎氏)

 松竹氏の除名騒動は、結局のところ「間もなく滅びようとする共産党を象徴するドタバタ劇」──松崎氏はこう指摘する。

デイリー新潮編集部

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