コロナでバカ騒ぎの日本にあきれてマレーシアへの逃亡を決意 社会が変わらないなら自分が(中川淳一郎)

  • ブックマーク

Advertisement

 2023年になりましたが、もう少ししたら、しばらくマレーシアへ行ってきます。もう、日本のコロナ感染対策マニアっぷりに耐えられなくなり、逃亡することにしました。外に出るとマスクマンばかりで、商業施設ではマスクしろ、と言われ、メディアに登場する人々もマスクだらけ。テレビに登場する専門家・ツイッターの医クラ(医療従事者クラスター)は、ワクチンとマスクと行動制限の重要性を説き、子供たちの「黙食」をやめようと提案した千葉県の熊谷俊人知事を猛烈にたたきまくる。

 この約3年間、日本人にとって最も大事だったのはコロナに感染しない、どこかの知らない人を感染させないことでした。ただ、感染症なんて人間の力でどうにかなるものでもないし、なんとかなるんだったら、コロナだって4年目に入るワケもなかった。マインドの問題です。

 というわけで、家人の確定申告が終わり次第行きます。もう同国行きの片道切符と宿の予約はできたので、1月は諸々準備をし、このマスクゾンビ国家・エキゾチックJAPANから脱出! 貴乃花の引退会見ではありませんが「清々しい気持ちです」と言いたくなりました。彼の地でもマスクをしている人間は多いようですが、マスクは任意、ワクチン・陰性証明書も不要。マスク警察はいないし、外国人はほぼしていない。

 パンデミックが続いている演出であるマスク、専門家による深刻そうな危機の解説、ワクチン接種のお願いCMなどからはもう離れたいワケです。結局、社会が変わらないのであれば、自分が変わるしかない。

 基本的に私の仕事はリモートです。対面の仕事は、ABEMA Primeという報道番組に出演するため月に1回唐津から東京へ行くこと一つだけ。正直毎度飛行機でのマスク強制が苦痛過ぎたので、スタッフには「日本が正常化したらまた出してください」とお願いし、しばらくお休みすることにしました。

 人間って、頭の中で「これをしたい!」と思っても、実際行動に移すのはなかなか難しいもの。しかし、行動するためにもっとも有効な方法があります。それは「公言する」なんですよ。

 元々「会社を辞めます」「この雑誌の編集者仕事はやめます」「ウェブニュースの世界に入ります」「ウェブニュース編集やめます」「東京から脱出します」「セミリタイアします」などは一声目では「えっ? マジ?」と驚かれたものの、宣言する行為というのは、その方向に向かうべく自分を追い込んでくれます。

 何しろ、有言不実行ほどカッコ悪いものはない。不言実行であれば、プレッシャーが与えられない。有言実行こそ、何かを変えたい時には手っ取り早い手段だと思います。今の状態、私は何があろうとも日本を出なくてはダサい。散々コロナ騒動下の日本の状況をバカにし、「いつまでやってるんだよ」などとツイッターでケンカをし、さらに「お前らみたいなバカだらけの国から一旦逃亡するわ」と、まさに反日活動家のごとき発言をし続けてきたのだから。

 そんな人間が「やっぱ行くのやめたわ。日本サイコー!」なんて言えるわけがない。今年も皆さまにとって善き年でありますように。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ。ネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』等。

まんきつ
1975(昭和50)年埼玉県生まれ。日本大学藝術学部卒。ブログ「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」で注目を浴び、漫画家、イラストレーターとして活躍。著書に『アル中ワンダーランド』(扶桑社)『ハルモヤさん』(新潮社)など。

週刊新潮 2023年1月19日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。