ドラマ10「大奥」に民放ドラマスタッフは戦々恐々「NHKにやられた。うちの局では作れない」という声が

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 1月10日にスタートしたNHKのドラマ10「大奥」の評判がいい。第1話の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯:以下同)は6・6%と、昨年話題になった「正直不動産」の6・5%を上回る同枠の最高を記録した。SNSには絶賛の声が上がる一方で、民放のドラマスタッフを震撼させてもいるという。そのわけとは――。

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 NHKが「大奥」を制作と聞いて、“女の園”を描いた「大奥」を想像した方もいるかもしれない。民放のプロデューサーは言う。

「かつてフジテレビ系列で放送されたセクシャル時代劇の『大奥』は、1968年版と1983年版は関西テレビが制作し、83年版は岸田今日子のおどろおどろしいナレーションが名物になりました。その後はフジテレビの制作となり、2003年版は菅野美穂、04年版は松下由樹、05年版は内山理名の主演で人気シリーズになりました。とはいえ、ここ数年は♯Me too運動が盛り上がり、映画監督のセクハラが問題視されるなど、セクシャルなテレビドラマは社会の価値観にそぐわなくなってきました」

 ところがNHK版「大奥」は……。

 原作は、よしながふみによる同名の人気漫画。舞台はもちろん江戸時代だが、若い男性にのみ感染する“赤面疱瘡(あかづらほうそう)”により、日本の男性の人口は女性の4分の1にまで激減。労働の担い手は女性となり、男性は“種馬”として育てられる世の中に。それは将軍も同様で……という男女逆転のSF時代劇だ。

 第1話は「八代将軍吉宗・水野祐之進編」だった。

大胆シーン連発

「“暴れん坊将軍”吉宗は冨永愛(40)、将軍の“種馬”水野祐之進はHey! Say! JUMPの中島裕翔(29)が演じました。九十九里浜で撮影された本物の馬を乗りこなす冨永の登場シーンは、CGによるバーチャル乗馬だった大河『どうする家康』よりも良かったと評判です。将軍として睨みを利かせ、腹から出した野太い声も迫力があり、これまでの彼女の演技の中で最も光って見えました。中島もここぞとばかりにイケメンぶりを発揮していました。さらに“種付け”セリフあり、濃厚キスあり、夜伽(よとぎ)ありで、お堅いNHKとは思えぬ大胆シーンの連発でした」

 セクシャルものは時代にそぐわないのではなかったか。

「原作の男女逆転があってこそです。これなら男尊女卑のそしりを受けることはありません。この手があったかとビックリしました」

 原作は04年から21年まで少女向けの漫画雑誌「MELODY」(白泉社)に連載され、ジェンダーに対する理解を深める作品に贈られるセンス・オブ・ジェンダー賞など様々な賞を受賞している。評価が高い作品だっただけに、実写化されたのは初めてではない。最初はTBSだった。

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