犬を飼うと、猫にはない「健康長寿」効果が! 目を合わせて遊ぶと「幸せホルモン」が3.5倍に…「介護」「心血管疾患死」リスクも低減

ドクター新潮 ライフ

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犬によって人間らしくなれる

 再び茂木教授が説明する。

「どんな高齢の人でも、犬を飼っていれば大抵は外に散歩に連れていくことになります。運動効果はもちろん、外の空気を吸うことでリラックスできますし、また、散歩に連れていくという習慣を半ば強制されることによって、結果的にそれが規則正しい生活にもつながる。日々のリズムが整えば、食生活も乱れないという好循環が生み出されるのだと思います」

 そして、犬によって私たちは「人間らしさ」まで取り戻すことができるという。

「先ほど説明したように、人と犬は異種でありながら例外的に共鳴することができます。だからこそ、私たちは犬に話しかける。ひとりで散歩するよりも、犬に話しかけながら散歩するほうが人間らしいですよね」(同)

人と人のコミュニティーも広げてくれる

 さらに見過ごせないのが、“コミュニケーションの潤滑油”としての犬の役割だ。

「最近、人間の世界ではプライバシー意識が一段と強まっています。我が子、我が孫に関してですら、他人に軽々に話すことははばかられる状況です。対して、さすがに“我が犬”について話すのに気を使う必要はありません。犬の存在が話の接ぎ穂となるわけです」(茂木教授)

 互いに犬オーナーであればもちろんのこと、そうでなくても犬は力を発揮する。

「公園で見ず知らずの高齢者がすれ違っても、いきなり話しかけるのはかなりハードルが高い。しかし、そこでどちらかが犬を連れていれば、もう一方が犬を飼っていないとしても、その犬の存在をきっかけに話しかけやすくなりますよね。犬は、人と共鳴できる疑似家族のような例外的動物である上に、人と人とのコミュニティーまで広げてくれるわけです」(同)

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