「コロナの病原性はインフルエンザより弱い」「高齢者が街に帰ってこない」 老年医学の権威が語る第8波の過ごし方

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インフルエンザで医療が逼迫しない理由

 それなのに、新型コロナが流行すると「医療が逼迫(ひっぱく)する」と騒がれるのは、ひとえに2類だからです。

 インフルエンザがはやっても医療が逼迫しなかったのは、インフルは5類であるため、かかりつけの町医者で、普通に診てもらうことができたからです。ところが、現在は新型コロナが2類以上なので、熱が出たら発熱外来がある病院に行き、PCR検査を行い、コロナの陰性が証明されないと、町医者では診てもらえません。病床数自体は足りているのに、医療が逼迫する恐れが生じるのは、危険性はインフル未満の新型コロナを、相変わらず特殊なものとして扱っているからにすぎません。

高齢者が街に戻ってこない

 とはいえ、国民もバカではないので、「第8波だ」「感染が拡大している」と脅されても、マスクはしながらではありますが、それなりに外出しています。街を歩いていると、一見、人出はコロナ前に戻ったようです。しかし、コロナ前と異なる点が、しかも大きく違う点がひとつあります。高齢者が戻っていないのです。

 これまで感染が拡大するたびに、政府や感染症の専門家たちが、外出自粛を呼びかけてきました。その都度「高齢者は重症化しやすい」と言われたため、いまも怖がって、外出を控えてしまう高齢者が多いのです。結果として、足腰も脳も弱ってしまう人が多いことが、残念でなりません。

 まずは、新型コロナの病原性が、いまやインフルエンザ未満であることをしっかり認識し、現在の感染状況と冷静に向き合ってほしいと思います。

 ただ、日本の政治家たちを見るかぎり、簡単には冷静になれないのもわかります。政府は厚労省に「屋外ではマスクの着用は原則不要」と小声で宣伝させる一方、国会では総理大臣以下みなマスクをし、外国の人と会うときだけ外しています。政府や政治家がこんな冷静とは言いがたい姿勢であれば、コロナが怖い病気なのか、そうではないのか、さっぱりわかりません。

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