実写化で安心できる主演俳優は、鈴木亮平の“一択状態” 「当たり役を作らない」という特異なイメージ戦略

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 ドラマ・映画不況の折、少年マンガ実写化の波が止まらない。「ONE PIECE」「幽☆遊☆白書」「ゴールデンカムイ」などに続き、今度は「CITY HUNTER」の制作が発表された。主人公・冴羽りょうは人気の高いキャラだけに誰が演じるかに注目が集まったが、鈴木亮平さんと聞いてひと安心という声が広がっている。宣伝写真の銃を構える右腕に浮かんだ筋、控えめに言って最高だ。

 もはや実写化で安心できる主演俳優は、鈴木さん一択状態といっても差し支えないのではないか。人気タレントやアイドルを出しておけば見るでしょ、という傲慢さが透ける制作側や、原作と全然違う見た目や雰囲気で押し切る俳優に、拒絶反応を示す原作ファンは多かった。しかし鈴木さんには、そうした心配がいらないということは、2013年の映画「HK/変態仮面」が証明している。

 かなりキワどい衣装とセリフは、並の俳優では務まらない作品だ。それだけにカルト的なファンも多いマンガであり、実写化には懐疑的な声も上がっていた。「レガッタ~君といた永遠」や、「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」といったマンガ原作ドラマに出演していた鈴木さんとはいえ、主演を張るには道半ば、という印象も否めない。

 しかし露出度の高い衣装を着こなすために15キロもの増量とボディメイクに励み、ド直球の下ネタもバシッと決める熱演は、原作へのリスペクトにあふれていた。今でこそ当たり前の、見た目も徹底して2次元キャラに寄せるという「お作法」を、鈴木さんが初めて業界内外に示した。前後するように「るろうに剣心」の映画が封切られ、こちらも前評判は散々だったものの興行的に大成功。やはりキャラの見た目やアクションを含めた世界観など、原作の再現度が高いことが伝わったからだろう。

 鈴木さんの快進撃は続き、翌年にはNHK朝ドラ「花子とアン」で完全ブレーク。「西郷どん」「テセウスの船」など人気ドラマに出演する傍ら、ほぼ毎年のように実写化映画に名を連ねる。しかも少女マンガからボーイズラブまで幅広いのが特徴だ。単なる肉体派イケメンだけでなく、コミカルにも冷徹にもセクシーにも転べる対応力の高さは、ますます実写化ブームの立役者としての地位を確かなものにしている。

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