増税反対の高市早苗を“鎮圧”…背景に“大物”の名前が 次なる閣僚交代の候補は?

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 怒濤の国会を乗り越えても試練は続く。防衛増税に端を発した上を下への大騒ぎは、岸田文雄総理(65)自らが奔走することでひとまず収束するも、党幹部との「三頭政治」の亀裂が一層浮き彫りとなった。孤立を深める総理。難題は年を越すことになって……。

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「岸田は終わった」と揶揄され、総理になれるとは誰も思っていなかった昨年3月のことである。さる宏池会関係者の携帯が鳴った。相手は岸田文雄。その前年に政調会長を退任し無役だった彼は、来る9月の総裁選に向け、こう切り出した。

「発信力を高めたいんです。そこで敵基地攻撃能力の必要性を訴えたい」

 ハト派色の強い宏池会らしからぬ政策をこの関係者は訝しみ、「誰にそれを言われたんですか? 安倍(晋三)さんですか?」と問うた。すると、未来の総理はこう答えたという。

「安倍さんではありません。が、その周辺です」と――。

「周辺」である保守派へと秋波を送り、後、宰相の座に上り詰めた岸田総理は、敵基地攻撃能力を「反撃能力」という言葉に変え、この12月、改定した安保3文書に首尾よく書き入れた。安保政策の歴史的転換として保守派に激賞されてもよさそうだが、並行して進んでいた防衛増税問題では、逆に彼らを敵に回すことになってしまった。

 政治部デスクが解説する。

「防衛費をGDP比2%に引き上げるための増税案が、自民党の税制調査会で13日から15日にかけて議論されました。そもそも、総理が増税する方針を明らかにした8日以降、党内は大荒れに。高市早苗経済安保担当相も“総理の真意が理解出来ません”とツイートし、反旗を翻したのです」

“増税賛成派”を動員

 13日の税調会議では、

〈このままでは総理が総理でなくなるぞ〉

〈経済学わかってんのか〉

 などと出席議員から怒号が飛び交った。しかし、この“反乱”はあっという間に鎮圧される。

「反対派渦巻く税調会議に“増税賛成派”が出席するよう岸田総理サイドが動員をかけていたのです」

 とは政治ジャーナリストの青山和弘氏。

「13日の税調会議では、発言した50人ほどの議員の7割から8割が反対だったのに、15日になると、出席者のうち反対意見はわずか数人でした。普段は会議に顔を出さない議員が出席し、マスコミに賛成派の意見を発信するよう、官邸や宏池会幹部から指令が出ていました」

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