組織の高齢化、統一教会問題も…茨城県議選でわかった公明党・創価学会の窮状

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維新当選の衝撃

 今年7月の参院選でも、公明党=創価学会の集票力が落ちたという指摘があった。

「背景にあるのは、学会にも少子高齢化の波が押し寄せていることです。高齢の学会員は、かつてのようには選挙活動を担えません。つまり、少子化によって学会票も減っているのです」(同・政治部記者)

 牛久市選挙区で日本維新の会の新人・長田麻美氏(34)が初当選を果たしたことからも、自民党の苦戦が導き出されるという。

「茨城県議選で維新の候補が当選したのは初めてです。というより、関東の選挙で維新が勝利すること自体が珍しい。牛久市は葉梨康弘・前法相(63)の地元で、東京通勤圏です。有権者が統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の問題や増税議論を嫌がり、自民党に投票しなかった可能性が指摘されています」(同・政治部記者)

 特に統一教会の問題は、今もなお自民党の支持率低下に強い影響を与えていると指摘するメディアは多い。

 東京新聞(電子版)は12月9日、「非自民候補の当選相次ぐ 参院選後、関東の市区長選で5人 自民批判票の受け皿にも」の記事を配信した。

「この記事で東京新聞は『東京都や埼玉県など関東の市区長選で少なくとも5人の非自民候補が当選した』と報じました。統一教会の問題で岸田内閣の支持率が下がり続けており、非自民系の候補に票が流れたと分析したのです」(同・政治部記者)

自民党支持者の動向

 もともと自民党の支持者には、いわゆる“新興宗教”に懐疑的な考えを持つ層が少なくない。

「統一教会との癒着を断つべきという意見は、自民党支持者でも珍しくありません。今後の選挙では無党派層が統一教会の問題で与党に“お灸を据える”だけでなく、自民党支持者も投票を棄権したり、与党と野党の間に立つ“ゆ党”として自民党と主張が重なる部分の多い維新に投票したりする可能性が浮上しているのです」(同・政治部記者)

 来春の統一地方選で自民党が惨敗すると予測する関係者も少なくないが、現実味を帯びてきた格好だ。

「中央政界への影響として、解散・総選挙の問題も指摘できると思います。岸田首相は自民党に吹く逆風の強さを認識したはずで、これで衆議院を解散し、総選挙に打ってでることはできなくなったと考えられます」(同・政治部記者)

デイリー新潮編集部

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