「ほんとはやっちゃダメなんだけどね」 実は無許可「中国人デモ」に新宿駅前の警官は困惑

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「ほんとはやっちゃダメなんだけどね」

 過激派ゾーンでは、習近平を「コロナに支配されている」と揶揄する風刺画や、香港独立を支持するプラカードなどが並ぶ。

 夜の新宿駅前というと、人の往来も多い。近くにいた警官は、こう困惑する。

「このデモは無許可です。ほんとはやっちゃダメなんだけどね……」

 そんな声も、怒りに燃える中国人たちには届かないようだった。

 これらの運動の影響もあって、現在、ゼロコロナ政策は緩和傾向にあるという。

 それ自体はデモをしている人たちにとっては歓迎すべき事態なのだろうが、一方で中国では感染者数が急増しているという事実もある。なぜか日本では中国人観光客を取り込もうという動きが前向きに報じられることが多いものの、その対応でいいのかについては、今後、日本国内でも国論を二分するポイントになるかもしれない。

 なお、中国の感染爆発については、行動制限に重きを置きすぎて、ワクチン接種が進まなかったことが原因だとの見方をWHOは示している。

 緩和の結果がどうなるか。感染爆発が起きた場合、別種の不満が生じないか。その時、日本はどう対応すべきか。この先の展開は、まだ誰にも読めない。

撮影・山県大吉

週刊新潮 2022年12月15日号掲載

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