90年代ヒット曲ばかりの「ブックオフ」年間CDランキングに異変! 「ZARD」「スピッツ」を抑えて1位に輝いた「新進アーティスト」

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 年の瀬が押し迫り、1年を振り返る様々な年間ランキングが発表されるようになった。そうしたなか、一部の音楽関係者の間で話題を呼んでいるのが、「ブックオフオンライン 年間ランキング」の“CD部門”だ。人呼んで「音楽ヒットチャートの極北」。いまや過去の遺物となりつつあるCDを、ブックオフで購入する人々の動向がなぜ注目されるのか――。

 CD売上の年間チャートといえば、先ごろ発表された「Billboard JAPAN」の2022年「TOP Albums Sales」の概要は以下の通りだ。Snow Manの「Snow Labo. S2」、なにわ男子の「1st Love」といったジャニーズ勢が1、2位に輝き、韓国のアイドルグループ・SEVENTEENの「DREAM」が3位につけている。4位以降には、SixTONES、King & Prince、乃木坂46がランクインし、さらに、松任谷由実のデビュー50周年を記念するベストアルバムもトップ10入りを果たした。

 レコード業界関係者によれば、

「ここ最近はApple MusicやSpotifyなどのサブスク音楽配信サービスが定着し、CDを購入する機会がめっきり減っている。アイドルのCDが売れているのは、フォトカードやポスター、購入者限定の動画を視聴するためのシリアルコードといった特典目当てのファンが大半です」

 実際、CDの売上は90年代後半をピークに減少を続け、日本レコード協会によれば2012年に2億1500万枚だったCDの生産枚数は、昨年には約1億360万枚に半減している。

20年近く前のベスト盤が上位を占める

 とはいえ、先ほどのランキングは、アイドル中心ながら、まだ時流を踏まえているのは事実。だが、そんなヒットチャートとは一線を画し、明らかに異彩を放っているのが「ブックオフ」の年間ランキングなのだ。<本を売るならブックオフ~♪>のCMでおなじみの中古書店チェーン最大手では、映画の中古DVDや中古ゲームソフトと並んで、中古CDの販売も手掛けており、毎年、オンラインでの売り上げをランキング形式で発表している。

 興味深いのはCD部門のランキングに入ったアーティストたちだ。

 10位は99年に発売されたZARDのベスト盤。さらに、8位にスピッツ、5位に小田和正、4位にはサザンオールスターズ……。いずれ劣らぬヒットメーカーばかりではある。ただ、繰り返すが、これは“2022年”の売上ランキング。いまから20年近く前に発売されたベストアルバムが当然のように上位を占めるあたり、何とも“香ばしい”ヒットチャートには違いない。

「少し前までは中古CDを買ってiPodやウォークマンに落とすこともありましたが、最近はCDを再生するプレーヤー自体を持っていない人が多い。ブックオフで、中古CDが数百円で買えるといっても、聴くことができなければ意味がありませんからね。つまり、ブックオフのCD購買層は、特典目当てでも、転売目的でレア盤を探しているわけでもなく、若い頃に親しんだ懐かしい音楽をCDで聴きたいと考える人たち。ランキング上位に食い込んだアーティストの傾向からして40~60代が中心だと思われます」(芸能担当記者)

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