1月期はTBS「Get Ready」、テレ朝「星降る夜に」…医療ドラマが永遠になくならない理由

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 プライム帯(午後7時~同11時)に15本ある秋ドラマが終盤に入った。そのうち「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」(日本テレビ)、「ザ・トラベルナース」(テレビ朝日)、「PICU 小児集中治療室」(フジテレビ)の3本は医療ドラマ。なぜ、昔から医療ドラマは多いのか。本当の理由を解き明かす(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。

秋の医療ドラマは3本とも合格点

 最初に秋の医療ドラマの視聴率を確認したい(12月3日の「祈りのカルテ」が放送休止だったため、11月21日~27日分を使う)。
■日本テレビ「祈りのカルテ」
個人3.7%、コア(13~49歳の個人視聴率)2.5%、世帯6.4%(最終回は17日)
■テレビ朝日「ザ・トラベルナース」
個人6.8%、コア2.2%、世帯12.3%(同8日)
■フジテレビ「PICU」
個人4.7%、コア2.5%、世帯8.3%(同19日)
 ちなみに現在のテレビ界の標準的な物差しは個人視聴率。民放はその中のコア視聴率を特に重視する。家ごとに測る世帯視聴率は視聴者の人数すら掴めないため、もう実務で使われていない。

 連続ドラマはコア視聴率が2%を超えたら、「合格」とされている。秋の医療ドラマは3本とも成功と言えるわけだ。

「ザ・トラベルナース」の場合、50代以上もカウントされる個人視聴率がかなり高い。同じ日(11月24日)に放送された「報道ステーション」の個人視聴率の6.1%より上。堂々の数字だ

 半面、40代までのコア視聴率は2.2%と伸び悩んだ。トラベルナースである那須田歩役の岡田将生(33)が主演でありながら、スーパーナース・九鬼静役の中井貴一(61)がかなり目立ち、その分、ストーリーも高い年齢層に合わせられたからではないか。

「祈りのカルテ」は逆にコアが高い。個人視聴率では大きく負けている「ザ・トラベルナース」を超えた。

 主人公の研修医・諏訪野良太役にKis-My-Ft2の玉森裕太(32)を起用し、同期の研修医・曽根田みどり役にも若者に人気の池田エライザ(26)を配したのが効いたのだろう。日テレとしては狙い通りに違いない。

 物語も若者を意識しているのが分かる。研修医たちの青春群像劇の1面がある。また風変わりな医師たちを次々と登場させるなど医療ドラマとしては珍しくエンターテイメント色が濃い。

 半面、研修医に過ぎない主人公の諏訪野が難題を次々と解決するなど非現実的なところがあるから、シリアスでリアルな医療ドラマを期待する人には物足りないのではないか。だから50代以上も含めた個人視聴率は伸びないのだろう。

「PICU」はスタッフが同じこともあって、当初は「監察医 朝顔」(2019年、2020年)の臭いが強すぎると感じさせたが、新米小児科医・志子田武四郎役の吉沢亮(28)の熱い演技とその母親・南役の大竹しのぶ(65)の名演もあって、尻上がりに面白くなった。泣かせる場面が増えた。この作品もコアでは「ザ・トラベルナース」を超えた。

 1月からの冬ドラマにも医療ドラマはある。妻夫木聡(41)と藤原竜也(40)がダブル主演するTBS日曜劇場「Get Ready」である。妻夫木は高額の報酬で重い病の患者を救う闇医者に扮し、藤原は患者と交渉する国際派弁護士を演じる。ちょっと変わった医療ドラマになる。

 同じく冬ドラマのテレ朝「星降る夜に」は吉高由里子(34)と北村匠海(25)がダブル主演するラブストーリーだが、吉高は産婦人科医役。医療現場も登場する。

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