消えた鎌田、山なりパスの吉田…日本はプランAしかないコスタリカになぜ敗れたか

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決定機に得点できない日本

 日本が苦戦した一因としては、ドン引きの相手に対して前線の選手によるポジションチェンジがほとんどないため、コスタリカも守りやすかったこと。さらに、日本は選手間の距離が遠いため、1タッチや2タッチでパスを回して攻撃のリズムを作れなかったことが指摘できる。それが上田や鎌田らが孤立した原因でもあった。

 試合に話を戻すと、コスタリカは1トップのFWジョエル・キャンベル(レオン)が左サイドに流れて攻撃の起点になっていたため、森保監督は山根を1列前に上げる3BKに変更。さらに後半に入ると、上田に代えFW浅野拓磨(ボーフム)、左SB長友佑都(FC東京)に代えてCB伊藤洋輝(シュツットガルト)を投入し、3-4-3で攻勢を強めた。

 この交代策により、後半1分に浅野の戻しから守田が左足の強シュートでGKケイラー・ナバス(パリSG)を脅かす。この試合で初めてシュートらしいシュートであり、日本の決定機でもあった。さらに、2分後の後半3分には遠藤が、後半12分には相馬が得意のカットインからシュートを放つ。日本の攻勢が続いた時間帯だっただけに、ここで1点をもぎ取っておきたかった。

目立った連携不足

 その後も森保監督は、山根に代えてMF三笘薫(ブライトン)、堂安に代えてMF伊東純也(ランス)と攻撃的なカードを切った。実際、三笘は後半43分、ドリブル突破から左サイドをえぐって決定機を演出した。

 残念ながら巧みな動きでフリーとなった鎌田のシュートは左足で合わせただけのため、コスタリカのゴールを揺らすことはできなかった。

 後半は攻め込む時間の増えた日本だったが、気になることもあった。例えば、右サイドの高い位置に遠藤が上がっても、堂安と山根の3人でどうパスを回すのか――裏へのショートパスなのかワンツーなのか――意思の疎通を欠き、戸惑っているように感じられた。

 同じことは左サイドにも当てはまり、三笘がドリブル突破を仕掛けようとしているのに伊藤が先にペナルティーエリア内に入り込み、三笘が使いたいスペースを消してしまっているシーンが再三見受けられた。

「1チーム2カテゴリーによるラージグループ」でチーム作りを進めてきたが、山根と伊藤(と上田と相馬)に関しては連係不足と言わざるを得ない。

 そして日本は、あっけない形で失点した。後半30分過ぎからコスタリカは、2人の選手交代で前線の3人が高い位置からプレスを掛けに来た。

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