「倒れた女性の肌の色が土気色で…」 韓国ハロウィン事故現場に居合わせた日本人女性が証言

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通常の警備体制なら起こらなかった?

 なにやら無秩序が長く放置されたようで、当局の初動の対応に問題があった印象も受ける。ソウル在住ジャーナリストによれば、

「梨泰院は街の入口が三叉路のようになって、普段から通り抜けるのにすごく時間がかかります。救急車が入るのも大変だったはずで、どの程度の規模の事故なのか、当初は警察や消防も把握できなかったでしょうね。最初、死者は50人くらいと言っていたのが、結果的に3倍以上だったのがその証拠です。近隣の救急車両はみな向かったにせよ、スムーズに連携できなかったのではないでしょうか」

 韓国コラムニストの児玉愛子さんも言う。

「コロナが落ち着いて3年ぶりのお祭りで、知人の韓国人も、今年は人が大勢集まるだろうと警戒していたそうです。そのわりには警備が手薄で、事故前の動画にも警備員らしき人が見えません。コロナ前のハロウィンでは警備員が一方通行になるよう誘導していたのに、それもなかった」

 そこでいま、

「韓国のSNSでは、尹錫悦大統領が青瓦台を出てマンションで暮らし、大統領府も龍山という場所に移してしまったので、警備の人員をそちらに割かれ、足りなくなっていたのではないか、と攻撃されています。実際、知人の韓国人に事故のことを聞くと、3人とも、通常の警備体制なら起こらなかった事故だ、と言っていました」

 先のジャーナリストも、

「300人以上の死者行方不明者が出た2014年のセウォル号沈没事故以来の大事故だから、政権のダメージも大きい」

 と述べるのである。

韓国は交通事故も多い

 ところで、梨泰院という地域の成り立ちは、

「アメリカ軍の駐留文化の街で、17年に米軍基地が大幅に縮小されるまで、米兵がよく出入りしたので、ディスコやバーなどコリアン的ではない店が多い。そこに若者が集まってくる、という地域です」(同)

 外国人も集まりやすいエリアだったわけだが、そのなかで事故が起きた坂道は、どんなところなのか。

「『梨泰院クラス』で有名な通りで、車が1台やっと通れる狭さで、結構急坂でした。私が歩いたときも、酔っ払いとか騒いでいる欧米人を避けるのに必死で、転んだら危ないな、という印象でした」(先のOL)

 狭い場所に人が集まりやすい韓国特有の事情について、元駐韓大使の武藤正敏氏が指摘する。

「韓国の人口は約5200万人で、半分相当の2600万人ほどがソウルと近郊に住んでいます。だからソウルに人が集まるのに、若者が集まる場所が、梨泰院と、弘益大学がある弘大と、延世大学がある新村くらいしかない。人が1カ所に集中しやすいのです」

 ほかに武藤氏が指摘するのは、韓国人の気質で、

「韓国ではバスに乗る際などもあまり並ばず、われ先にと席を取り合う感じでした。車の運転も荒っぽい印象で、事故が多いので保険料も高かったです」

 事実、「令和4年交通安全白書」によると、韓国の交通事故死亡者数は人口10万人あたり6人。日本の2.7人の2倍以上である。

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