「塩谷派」が流れて安倍派に分裂の兆し 世耕弘成参院幹事長の動きに猛反発する人々

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 自民党の国会議員の間で、朝日新聞の報道が話題になっているという。10月13日に電子版が配信された、「安倍派新会長決められず 『塩谷派』案は中堅若手が異論」というタイトルの記事だ。

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 自民党の最大派閥は、衆参合わせて97人の国会議員を擁する清和政策研究会、つまり安倍派だ。

 安倍晋三元首相(1954~2022)が凶弾に倒れ会長の座は空位となっていたが、国葬や山口県での県民葬が終わったこともあり、最近では塩谷立会長代理(72)を新会長に推す動きが活発化していた。担当記者が言う。

「ところが、安倍派は13日に総会を開き、塩谷さんが『当分は新会長を決めない』と説明したのです。意外な展開を新聞各紙が報道しました。そして朝日新聞は、新会長の決定が見送られた理由として、2012年12月の衆院選で初当選した4期生を中心とした中堅と若手の議員が反発したため、と報じたのです」

 中堅と若手の反発が原因と報じたのは朝日新聞だけではない。日本テレビも同日、自社のニュースサイト「日テレNEWS」で、「自民“最大派閥”安倍派が会長決定を見送り」の記事を配信、以下のように理由を伝えた。

《当選3回以下や4回生のグループから「我々は安倍チルドレンだ。安倍派のままがいい」などの反対意見が多く上がり先送りすることとなりました》

血判状の衝撃

 自民党のある衆議院議員は、「4回生議員といっても決して一枚岩ではなく、色んな考えを持っています。朝日の記事は、実相を伝えられてはいないですね」と言う。

「一部の週刊誌は、『塩谷さんの会長就任を潰したのは、実は森喜朗元首相(85)』とも報じました。しかし、これも事実と違います。今回、『塩谷派』が誕生しなかった一番の原因は、世耕弘成参院幹事長(59)なのです」

 清和政策研究会に所属する参議院議員は、別途「清風会」を結成している。もちろん会長は世耕氏だ。

 安倍派の参議院議員は世耕氏ががっちりと押さえている──そう報じたのは毎日新聞だ。

 18日の朝刊に「自民党:安倍派後継争い、熱帯び 『塩谷会長案』白紙/世耕氏登用反発 県民葬集結でも先行き不透明」の記事を掲載、世耕氏の名前を明記した。

《今月11日には、清和会の参院議員集団「清風会」に所属する38人が署名した「血判状」が清風会会長の世耕氏の元に届く。「世耕会長のもと一致団結して行動する」とする内容だった。ある中堅は「世耕氏こそ派内の要職につくべきだ。清風会と衆院の一部が手を組めば新体制はすぐに決まる」と話した》

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