巨人・桑田コーチは「大勢」の連投をめぐり“クビ覚悟で”原監督に意見していた

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 5年ぶりのBクラスに終わった巨人では、コーチ陣の大幅な配置換えが行われた。中でも注目されたのは、1軍投手チーフコーチ・桑田真澄氏(54)のファーム総監督への“降格”である。シーズンを通して、原監督と桑田氏は投手の起用方法を巡って意見が対立していたという。終盤には、桑田氏が意を決して、番記者を前に「原批判」をぶちまける場面もあった。

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ワインを傾け語り合った夜

 もともと、2021年のシーズン前に桑田氏を招聘したのは原監督(64)である。それまで2人は不仲と言われていた。

「桑田さんが第2次原監督時代の06年のシーズン終盤にメジャーへの挑戦を発表した際、事前に原監督に相談をしなかったことが原因と言われています。ただ、あれから時も流れ、親会社の読売新聞社内でも将来の監督候補として桑田入閣を望む声が高まっていた。結局、原監督がそんな要望も取り込むかたちで声をかけたのです」(読売関係者)

 入閣前にはワインを傾けながらチーム構想を語り合って、わだかまりを解いたと言われる2人。そんな両者が衝突し出したのは、今季、桑田氏が投手チーフコーチに昇格してからのことである。

「今年は先発に、ドラフト3位の赤星優志、右肘の怪我から復帰したばかりの山崎伊織など若手を多く起用しました。ただ、こぞって序盤で崩れてしまう。そんな時、すぐに中継ぎを投入しようとする原監督にずっと桑田コーチは異を唱えていたのです」(巨人番記者)

球界の宝として大事に育てたい

 両者は継投について180度違う考えを持っていたという。

「原監督はピッチャーを甘やかし過ぎるなという方針。調子が悪かったらすぐに中継ぎに交代させ、とにかく目の前の勝ち星を重ねていこうという考えです。一方、桑田コーチは、先発を少しでも我慢して使おうという考え。若いピッチャーにピンチを切り抜ける経験を積ませると同時に、中継ぎを休ませようという狙いです」(前出記者)

 とりわけ桑田氏が気にしていたのは、今年、新人投手として最多タイとなる37セーブをあげた大勢(23)の起用法だった。

「桑田さんは大勢を球界の宝として大事に育てたいと考えていました。まだプロの肩が出来ていないのに、酷使してはいけないと。自分も、10シーズン目に無理に投げ続けたことなどが原因で、右肘に側副靭帯断裂の重傷を負いトミー・ジョン手術を受けた経験がある。本人の将来のためにも無理をさせたくないと考え、原監督が連投を希望しても反対し続けてきた」(前出記者)

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